表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/333

役割分担

エルザ、マーチ、ステラ、シロはほぼ毎日、

学生を引き連れてダンジョンに入っている。

第二階層はまったく訓練にならなかったらしい。

今日は第三階層の人型モンスター地帯を攻略中するとのこと。

全力戦闘はワンド無双なのだが、

今の攻略では単純作業ではなくて

圧倒的な火力と機動性を両立する高速戦闘の先進的な訓練で

マジックワンドハイスピードモビリティタクティカルコンバット

魔法杖高速機動戦術戦闘だとかなんとか。

長ったらしい名前をハスキーボイスな女子学生が熱弁してくれた。

勢いが凄かった。

早口だった。

あ。さっきの長ったらしいのは一回聞いた記憶だよりだから

間違ってるかも。

ハスキーボイスな女子はエルザ先生の助手だな。

掃除スキルも持ってるらしい。

ああいう感じで若年層がガンガン育ってくると頼もしいな。

「ちっこい子供が若年層を温かく見守る…。くくく…」

ゲイル。笑うなよ。

見た目で人を判断してはいけないぞ。

残ったオレたちは、マシンガン組、バーレルドール組に分かれた。

マシンガン組はガンテツとミラだ。

とりあえずバーレルドール用に魔法回路を2個作ったら

オレたちに渡してくれるとのこと。

さらにマシンガン本体を今日中に5台を目指すと言っていた。

すげえ頑張るよな。

バーレルドール組はオレ、ゲイル、リリーナ、ルカの4人で

2台追加を目指すんだが、ON/OFFスイッチを含めた構造が未完成だ。

「おお。ネオジム磁石じゃないか。懐かしいな。」

ゲイルも知ってるんだ。

どうにか組み込んでON/OFFスイッチ構造を実現したいんだ。

「それなら力になれるかもしれないな。」

えっ?

なにか経験があるの?

「昔、子供工作教室でやったことがある。けっこう単純だぞ。」

すげえ。手伝ってくれ。

・・・

結論。必要なのはリードスイッチじゃなかった。

回路の一部を改造して、ネオジム磁石が近づくとONになるよう工作。

回路とネオジム磁石の距離は適切に加減する。ここ大事。

ネオジム磁石の磁力と、重力のバランスも適切に加減する。ここ大事。

ONにしたいときはネオジム磁石を回路にくっつける。これでON。

ネオジム磁石を加熱すると磁力が弱まる。

磁力が弱まったらネオジム磁石が落下して回路から離れOFFになる。

そういう構造に工作するのだという。

ネオジム磁石は超高温まで加熱してしまうと、

冷えても磁力は戻らないとのこと。

超高温じゃなきゃ大丈夫なんだな。

ONにするときはどうするんだ?

軽い振動を与えて、ネオジム磁石をコロコロ転がすらしい。

ピタゴラ(げほんげほん)スイッチかよ!

・・・

それで改造した1号機。

バーレルドールの上面にはピタゴラみたく坂道を用意した。

スタート地点にはネオジム磁石をセット。

紙飛行機で振動を与えたらネオジム磁石がコロコロ転がる。

回路に近づくと磁力に反応してスイッチON。

バーレルドールが回転し始めた。

いいね。OFFからONが風魔法のブリーズでいける。

オレのストーンバレットでもいけるだろう。

オレはアイテムボックスから着火用のマジックアイテムを

取り出し、ネオジム磁石を熱する。

磁力が弱まり、コロコロ転がりOFFになった。

いいね。ONからOFFは火魔法でいけるだろう。

へえ。

ゲイルから聞いた話では、

80度程度でも磁力は落ちて磁石は落下するとのこと。

その程度の温度なら冷えたら磁力が戻るとのこと。

何度でも実験できるな。

よし。実験しにダンジョン行こうぜ!

・・・

オレ、ゲイル、リリーナ、ルカで第三階層にきた。

ここはアンデッド地帯の奥にある迷宮別荘。

お。アンデッドいるじゃん。

これでバーレルドールの実験ができるぞ。

ルカ。悪いんだけどさ。

そこらへんにしゃがみこんで

膝を抱えてくれる?

ちょっとだけ離れた位置にバーレルドールをセット。

この位置ならバーレルドールが斜め上45度に撃つ

ホーリーアローは当たらないだろ?

ルカが頷いた。

念のため、大盾で防御してもらえれば。

じゃあ、ルカ。

パワーオブライフでアンデッドを誘引してくれ。

(パワーオブライフ!)

いいね。わらわら来てる。

ルカ自身は、ホーリープロテクションで防御してくれ。

(ホーリープロテクション!)

よし。じゃあオレはストーンバレットで…。

と思ったらアンデッドがバーレルドールを

コツンと蹴飛ばした。

あちゃ。ネオジム磁石が飛び出しちゃったぞ。

飛び出さないようフタをしとくんだった。

「不具合が見つかってよかったな。」

とゲイル。

確かに。

そんじゃあ2回目の実験のために

必殺の気合いを入れてターンアンデッドしとこう。

(洗濯!)

ドサドサドサッと大量の石鹸、大量のきれいな布がドロップした。

あ。必殺の気合いを入れた洗濯はステラに禁止されてたんだ。

ミスった。

まあいいか。ウノ石鹸が多い分にはステラも喜ぶだろう。

スケルトン1体からウノ石鹸5個なんて大盤振る舞いだよな。

ホクホクだよ。

・・・

んじゃストーンオブジェクトでフタをつけてっと。

ルカ。またしゃがみこんで膝を抱えてくれる?

ちょっとだけ離れた位置にバーレルドールをセット。

この位置ならバーレルドールが斜め上45度に撃つ

ホーリーアローは当たらないだろ?

さっきも聞いた?うん。

念のため、大盾で防御してくれ。

じゃあ、ルカ。

パワーオブライフでアンデッドを誘引してくれ。

(パワーオブライフ!)

いいね。またわらわらと出て来てる。

ホーリープロテクションで防御してくれ。

(ホーリープロテクション!)

よし。じゃあオレはストーンバレットで…。

と思ったら、またアンデッドがバーレルドールを

コツンと蹴飛ばした。バーレルドールが回転して、

ホーリーアローを乱射し始めた。

すげえ!

5発程度でアンデッドがうずくまって無力化するぞ。

「これはなかなか凄いですぅ。」

「ああ。期待以上だな。」

無力化が関の山で、消滅しないのが難点か。

いや、利点だよ。

必殺の気合いを入れてターンアンデッドしよう。

(洗濯!)

ドサドサドサッと大量の石鹸と、

大量のきれいな布がドロップした。

ほらな。これは利点だろ。

利点しかねえ。

ただなあ。600発というのはちょっと少ないかもな。

特効があるアンデッドでも5発で無力化ってところ。

ゲイルのおかげでせっかくマジックユニットが

大量に入手できたからさ。

20個と言わず40個くらい搭載したいな。

・・・

完成したぞ。

バーレルドール1号~3号。

ろくろロボットから継承した回転機構搭載。

ホーリーアローマシンガン搭載。

マジックユニット40個搭載。

ネオジム磁石による簡易的な遠隔ON/OFF搭載。

衝撃でONになり80度以上の高温でOFFになる。

やったぜ!

みんなが戻ったら、また第三階層でお披露目だな。

・・・

オレたちの家に戻ると、ガンテツとミラが

ホーリーアローマシンガンを5つ並べていた。

さすがガンテツとミラ。

有言実行だな。

「この程度は造作もない。」

「組み立てるだけの単純なお仕事です。」

それほど単純じゃない繊細なお仕事だぞ。

明日はオレも手伝うよ。

「手伝うと言っても、そっちのバーレルドールはいいのか?」

完成したよ。

3台とも。

「ほほう。やるではないか。」

「僕がステラに1日で2台追加できると言ってしまって、

ウノにプレッシャーをかけてしまったかと

思ってましたが、さすがウノです。

もしかしてON/OFF機能も実現したんですか?」

実現したぞ。

ゲイルにアイデアを出してもらったんだ。

ゲイルの知識と経験は凄いな。

「さすがじゃのう。」

はははは。

みんなで褒めあって気持ち悪いな。

「最高に気持ちいいです。私、このパーティにいられて幸せです!」

「私もすごく楽しいですぅ。」

「ああ。俺も楽しい。幸せだ。」

ルカ、リリーナ、ゲイル。

そうだな。オレもそう思う。

オレは感謝の気持ちを込めて風呂掃除するよ。

オレたちの家の風呂だけじゃなく、学生寮の広い風呂もな。

学生寮の広い風呂は女性陣に入ってもらおうか。

オレたちの家の風呂は男性陣が入るってことで。

「いいですね。お願いします!」

「それじゃあ、俺たちは夕食の下ごしらえをするか!」

「芋を千切りするのとぉ、玄米を吸水させるだけですけどぉ。」

うん。お願い。

香味油は今朝のうちにたっぷり作ったから大丈夫だし。

あ。あとさ。

カボチャとニンジンをスライスして蒸し器で蒸しておいてくれないか?

それからナスを乱切りにして水にさらしておいてくれるといいな。

タマネギもスライスしておいてくれると嬉しい。

トマトは湯むきしなくていいから4つ割にして。

そうだ!

玄米を白米にするために八分づきして精米してくれると一番助かるな。

「あーあー。ちょっと耳の調子が…。」

「ゲイルもですかぁ。偶然ですねぇ。耳鳴りがしますぅ…。」

ぜったい聞こえないふりだ。

「ウノ。大丈夫!私がやります!」

え?

それはちょっと…。

「私のこと、信用できないんですか?」

いやいやいや。

決してそんなことはないぞ。

すごく信用してる。

ルカを一番信用してる。

じゃあ。

指を切らないようにな。

野菜を切るときは手袋をして注意してやってくれ。

あと肉は絶対に下ごしらえしなくていい。

肉を切るのはぐにぐにしてて一番危ないから。

むしろオレとマーチが得意としてるから。

「過保護じゃないかのう?」

「ウノはルカにだけ特別に甘いです。」

いいじゃん。

これはその。えーと。

役割分担だよ。

ガンテツとミラもルカを手伝ってくれよ?

「わかったぞい。」

「了解です。」

よし。オレは風呂掃除を頑張る!

修正:高速起動→高速機動

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ