10.5話 :もし星なんてない、星という概念が存在しなかったら、あの空にあるものは一体何なんだろう (Xの説明)
星という概念が存在しない
宇宙には多くの謎がある。
そしてそれが沢山の人々の好奇心をそそり、宇宙というものを解明してきた。
その中でも、月という存在は比較的身近なものとして知られている。古くから月というのは信仰の対象として崇められ、子供に読み聞かせする絵本にも登場する。何もない真っ暗な夜空に煌々と輝くその姿は、ある種の神秘的なものを感じるのだろう。
星という概念が存在しない。
引力も暗黒物質もそもそも星というものすらない。
そもそも宇宙というものは一体何なのだろう?
私たちは一体今まで何を見てきたのだろう?
星という概念が存在しない。
私たちが今まで月だと思っていたxという存在は思ったよりも小さかった。
でも私は教科書でしか見たことなかったから、それが正しいかどうか分からなかった。何の躊躇もなく私達が住んでいる場所の頭の上に降ってきた。
数百メートルくらいの鉄の塊に見えた。
引力なんてものがあると思っていて、それはあの鉄の塊にも通用すると思っていたけどなんか違った。まるで何か別の生き物の様に、ゴムのボールの様にこの地上を跳ね回っていた。
もし星という概念が存在しなかったら、俺たちは今、何の上に立っているのだろうか?
星という概念は存在しない。
宇宙の写真が正しくなかったら
星という概念は存在しない。
そもそも宇宙というものが我々の思っているものとは違っていたら
星という概念は存在しない。
xというものを考える
星という概念は存在しない。
xというものが空に浮かんでいる。
星という概念は存在しない。
そのxという物体は夜になると空に出てくる。
あまり光らない為、空をよく見ないと見つけられない。色は白のような灰色のような色をしている。毎晩必ず真ん丸の姿で出てくる。それまでは月と呼ばれる天体が出ていたが、ある晩から突然そのxという物体に変わった。
昼間は地上で横になっており、夜になると空に上がる。
星という概念は存在しない。
夜になると人間は建物の中に隠れる。目が合ったものに近づいてくる。
星という概念は存在しない。
太陽系の惑星全てがこのxに置き換わっていた。
星という概念は存在しない。