大震災。
あの日、とても大きな地震があった。
震源になった東北から関東果てには関西の端まで揺れるほど大きな地震だった。
その地震を原因にとても大きな津波が来た。
見上げてもその上が見えない、濁った色の水がまるで立ち並ぶビルのような大きな波が大きな音を立てながら迫ってくるのを僕は今でも覚えている。
飲まれるのは一瞬だった。
十分海から遠くへ逃げていたはずだった。
それでも、その津波はとても大きく、大き過ぎた為に十分が十分ではなかったんだと僕は思った。
逃げるなんて考える間もなく、一瞬で僕はその水に飲まれた。
それで終わりだった。
津波に飲まれて死んで、それで終わりになった。
そのはずだった。
津波に飲まれ、流され、沈み、潰され、埋められてそれでも、
僕は生き残った。
奇跡的なことに、
幸運なことに、
あるいは運悪く、
僕は生き残ってしまった。
生き残ってしまったのだ。
あの日、
多くの人間が死んだ、その日、
世界は変わってしまって、今までの世界が死んでなお、
僕は生き残ってしまったのだ。
それはそれは、
きっと、
―――最悪なことに。
前にもこんな感じの書いてたんですが小説家になろうのアカウントとかパスワードとか忘れちゃったんでまた一から書きまーす。テヘペロ。