最強の冒険者が宿屋を開いたそうですよ?
「いらっしゃいませ、宿屋『久遠の絆』へようこそ」この言葉で俺の1日が始まる
と言いたいが、お客が居ない。オープンすらしていない、今は準備中なのだけどね
準備が終わるまでの間、少し昔の話をしようかな
西暦2016年に俺は死んだ、神様の手違いでね…うん、テンプレだね
神様とどんな話をしたかは、よく覚えていない。この世界に転生して300年は過ぎたから
たしか…
『誰かと間違えた』とか『チートをあげるから、転生しない?』みたいな話をされて…
この世界の説明を受けたと思う
世界は中世のヨーロッパ風で剣や魔法、勇者に魔王、ダンジョンにモンスター、転生者や迷い人 (この世界に迷い込んだ日本人)があるそうだ
世界に居る種族は
人間・獣人・エルフ・ドワーフ・魔族等多数存在
ラノベや小説家になろうのファンタジーのジャンルによくある世界だと思って欲しい
そこで俺は『長寿の種族が良いな』と答えたはず…
この世界のエルフは長生きなんだね~平均寿命が1000年らしい
神様が気を利かせたのか、呪いなのか…
ハイエルフって種族に俺は生まれ変わった、エルフの変異種?とでも言えば良いのか…
寿命の概念が無いらしい、ハイエルフ自体は数千年に1人程度で生まれるらしいが、寿命で死んだハイエルフは確認出来ていないらしい
戦争や自殺・自身の封印によって世界から消えるようだ、俺もいずれそうなるのかな?
チートの方は普通に最強で無双できるほどの強さだった、魔力・MPに関しては無限のオマケ付き。
何でも自身の魔力を使用して魔法を使うのが普通らしいが俺の場合は、この世界に有る魔力 (魔素)を使用しているから無限らしい、正確にはこの世界に有る魔力 (魔素)が枯渇するまでだが
容姿に関してもチートだった、エルフは容姿端麗の種族であるがそのエルフが羨む程の美少女っぷりだ
いや、性別は男だけどね、所謂『男の娘』ってやつだ
あと1つチートが有る、それは『日本で購入可能な商品を召喚』出来る、召喚魔法だ
代価として1G=1円のレートで支払う事、魔法発動にMPも消費するが俺には関係ない
面白いのが電気まで買えた、契約がどうなっているかは知らないが月に1度、保管してある所持金が減る
講座引き落としの感覚だ
鶏などの家畜も買えたがモンスターに襲われ食べられたので、それ以降購入していない
この世界に転生して150年ほどエルフの森で暮らしていたけど…飽きたんだよね
毎日、狩りをしてキノコや山菜を収穫…森と共に生きる?飽きるでしょ、お金も必要ないから召喚魔法の代価も稼げないし。
よく150年も我慢したと思うよ?
そんな訳で森を出て街で冒険者を始めました…………
10年しない内に最高ランクに到達しました、残念です………50年過ぎた頃には一部の間で『魔王より魔王』なんて呼ばれ、俺が討伐対象になって居たりもしたそうですよ?
この世界に生まれ200年位の事でした
この世界は地球よりとても大きい世界で面積で言うと太陽くらい有りそうです
俺の事を誰も知らない大陸はまだまだ多く有ります、50年程掛けて生まれた大陸から遠く離れた大陸に移り今度は『適度に適当に』冒険者を堪能していましたが飽きました
何故かは知らないが世界の貨幣はGで統一されて居るのでお金の心配は有りません
国の2~3は買えるだけのお金は有ります、買いませんよ?…そんな事をしたら『経済面で侵攻した魔王』なんて呼ばれそうですからね
冒険者をしていた時に、領主と知り合って居たので冒険者に飽きたことを相談しました、するとこの国から出て行かないで欲しいと懇願されました。
俺の言葉が足りなかったのでしょう。「国から出て行かない、冒険者以外で面白そうな仕事は無いか?」と改めて説明しました
その領主は「なら、宿屋はどうだ?」と言ってきたのです
詳しく聞くと俺はその領主とお酒を飲むと、旅をしてきた色々な宿屋の話をよくしており、比較をしていると言うのです。
恐らく日本のホテルや旅館と比較しているようです
「使っていない屋敷が有るから売ってやる、好きなように改造しても良い、どうだ?理想の宿屋を開いて見ないか?」
考えている俺に
「人手が足りないなら…家からメイドを派遣しても良い、人を雇うなり奴隷を買うなりしても、教育者が必要だろう軌道に乗るまで協力は惜しまんぞ?」
と、さらに追い込んできます
宿屋の経験が無い俺にとって未知の冒険の誘いでした、日本のホテルや旅館を基準にすれば、この世界では高水準の宿屋が開けそうです。
面白そうですね、出し惜しみする事無く日本の文化を取り入れた宿屋
この世界の宿屋に革命を起こす、ワクワクしませんか?
俺は領主に宿屋経営を了承しました、そこから色々有りました
商業ギルドに登録したり、屋敷を改造したり、日本の商品を召喚したり
あとは家具の配置を決め、従業員を用意してオープンするだけです
どんな従業員が良いでしょうか?どんなお客様が来るでしょうか?
楽しみですね、もう少ししたら
「いらっしゃいませ、宿屋『久遠の絆』へようこそ」この言葉で俺の1日が始まる日がくるのです。
この世界に無い家具・家電が用意され、日本で食べられる食事を用意する
そんな宿屋異が世界に出来るそうですよ?
少し後にこんな噂がでてきます
『最強の冒険者が宿屋を開いたそうですよ?』