プロローグ
やっぱり慣れない三人称よりも一人称で、って事で書いた自分でも良く分からない異世界冒険活劇です
当方、受験生ですので更新はアホみたいにスローペースになりますが、僕の励みとなるので少しでもルーナと夜空の物語に興味を持っていただけたのならお気に入りをポチッとしてくれるとありがたいです^^
ルーナ。
ルーナ・オラトリア・シューティングスター。
「流星」をその名に冠すそいつは、とにもかくにもやることなすこと全てがメチャクチャでハチャメチャで、周りの人間を一人残らず巻きこまないと気が済まず、それでいてその事実など全く知らない顔をしている、というよりもむしろ本当に知らないといった方が正しいような、その瞳に宿した情熱的な想いを示すかのように、炎が燃えるような艶々とした赤色の髪をもつ少女だった。
忘れもしない、
忘れるわけもない。
偶然的であったのかはたまた運命的であったのかは神のみぞ知ることなのだろうが、異世界に飛ばされた俺の思い出にずっと付き纏う、俺の異世界譚というものがもし存在するのだとしたら、最初から最後までのどのページにも記されているだろうその名前は、俺が平凡な男子高校生、少なくとも俺自身は男子高校生だなどという実感を改めて感じるほどでもないほどに自身を平凡な男子高校生だと自覚し、また傍から見てもそうとしか映らなかっただろうほどに平凡で、平坦な男子高校生であった俺の意識や考え方を、驚くほどに無自覚に、素晴らしいほどに強引に変えてしまったと記憶している。
ヴィクター。
魔法で動く人型機装兵器。
異世界にて、俺が搭乗させられることになった無機質なそれは、後に愛機とも相棒とも呼んでも呼び足りないほどに俺の片腕どころか自分そのものになっていった。
ルーナに教えられ、ぎこちなくも初めてヴィクターに乗って宙を翔けた時、ルーナとともに強敵をやっとの思いで倒す事に成功した時。
その時の楽しさ、怒り、感動などの感情を、今でもクリアに思い出す事が出来る。
そして______ 教室、ニュートラル。
炎、 水、 雷、 風、 土。
この魔法世界を形作る五大属性のいずれにも適性を示さなかった、ともすれば落ちこぼれ、ともしなくても変わり者ばかりが寄せ集められたヴィクターパイロット養成学校でも特異な教室のクラス名。
なんの因果か異世界にて失われし第六の属性、銀魔法を使えることになってしまった俺は問答無用でこの教室にぶち込まれるばかりかこのクラスの委員長になってあいつらを束ねることになってしまうのだが。
しかし。
変わりものばかりのこのクラスの生徒は、ただの一人だって気に置けない奴は居なかった。
変わっていることは罪ではなく、人と違う事は咎ではないと教えられただけでなく、異世界にいきなり飛ばされて困惑していた俺が、世界に自然に慣れたのもこいつらのおかげだと今なら胸を張って言える。
機及部。
ルーナが何の目的で活動をしていたのか、何を目的として造ったのかよく分からん部活。
結局活動内容を理解することは出来なかったが、放課後の活動は本当に楽しかった、それだけは間違いない。
そうだ。
まずはあの日の話をしよう。
この俺こと平平凡凡たる男子高校生であったはずの黒野夜空と、ルーナ・オラトリア・シューティングスターが、何の前触れもなく突然に、呆れるほどに劇的に出逢ってしまった、あの日の話を_______。