初戦闘
どーも、不老不死=幽霊になった九十九和哉です。
あのくそや…神に幽霊に転生(?)させられて一週間。
正直言って……暇です。
―――――――――――――――――――――――――――――
ってなんで独り言呟いてんだ俺。
しかし、暇だなぁ。
一週間経ってるのにいまだに人と会わない。
アイツ(神)の悪意を感じる。
今まで会ったのは、1メートル50センチほどの豚顔のゲームでいうところのオーク的なやつと、1メートル程の毛むくじゃらで肌が緑のゴブリン?そして血気盛んな野生動物(サイズがでかい。)ぐらいしか見ていない。
しかも俺が見えていないようで、いくら声を掛けても、目の前で変顔しても何の反応もしてくれない。
おまけに、俺は幽霊なので不眠不休で活動し続ける。というか眠れない。そろそろ精神的に限界を迎えそう。
そんなときだった、目の前に少し体が透けていて宙に浮いている人を見つけたのは。
「ひぃ幽霊!」
思わず叫んでしまった。ホラー系は以外と苦手なのだ。
って、俺も幽霊じゃん。同族かよ、びっくりして損した。
俺「幽霊」相手「幽霊」
あ、もしかしてコミュニケーションとれるんじゃね?よし話しかけてみよう。
「あのぅスミマセン。あなた幽霊ですか?いま会話できてます?」
…返事がない。ただのしかばねのようだ。
って幽霊だししかばねか。つい笑ってしまった。
もう一度話しかけてみる。
「あのぅあなた幽霊ですか?」
…泣いていい?
久しぶりのコミュニケーションがとれると思ったら、無視されるって、ねぇ泣いていい?
しかし、俺は諦めないもう一度聞いてみる
「あのぅあなた幽霊ですか?」
ここでやっと気付いたのか、それとも五月蝿くて後ろを向いたのかどっちらか知らないが(前者だと思いたい)、こっちを向いてくれた。
そして…
襲われました。
「えぇぇぇぇ!!」
「うがゎぁぁぁぁ!!!」
相手はいきなり叫びながら襲いかかってきました。
久しぶりのコミュニケーションなのに、こんなに嫌われた…。
無視されて襲われて、俺のHPはゼロだ。……幽霊だけにね!
なかなか距離があったのでなんとか逃げれているが、どんどん距離が縮まっていく。
残り五メートルをきったとき、俺はある決断をした。
能力を使う!
一昨日気づいたのだがどうやら俺には物を動かす能力が、あるっぽい。ザ幽霊的な能力だ。
走りながら、『念動力』で近くにある岩をぶつける。
相手は、知性がないのかよけようともせずに直撃。
ちょっと感覚が浅かったが、それに構わず走り抜ける。
どれぐらいたったのか分からない。
だが、ヤツを巻いた。
「危なかったぁ~。死ぬかと思った。」
正直、異世界舐めていた。
もう少しでヤバい状況だったことを考えると、寒気がした。
今回は逃げ切れたが次は…
「よし!戦闘力を上げよう。」
新たな決意を胸に俺の初戦闘(?)は
――――――――――幕を閉じた。