幽霊になりました
目が覚めるとそこは真っ白な空間だった。
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え?いきなりなにを言ってるかって?
自分でもよく分からないよ。なぜだかパニックにはならないんだけどね。
あぁ、自己紹介がまだだったね。
おれは九十九和哉。17歳の平均的な高校生。
ところで、ここはどこだろう?
確か学校からの帰っているとちゅうだったけど。
今いるこの場所は真っ白だ。白い部屋のような立体的な空間じゃなく、なんか平面的な場所のような気がする。
しかも、とくに照明もないのに明るい。
うん。よく分からない。
こんな時には周りの人に聞いてみよう。
という訳で、なぜだか目の前にいる、偉そうな爺さんに話を聞いてみよう。
「あのう「スマンな、人間。少々手違いでな、人生を終わらせてしまった。まぁ、わしは神とよんでくれ。」
おい、人の言葉は最後まで聞け。
つーかこいつ手違いで、俺の人生を終わらせたって?
…………俺死んだのか。
妙に現実味が無いせいか、特に何の感情もわかない。
まだやり残したことあったはずなのにな。
で、こいつは神?
この全く謝る気のないこいつが、自称神が、俺の人生を終わらせたのか。手違いで。
うん…とりあえず殴るか。
「未だに肉体に縛られている生物如きにに、わしが殴られるはずないじゃろうが。」
心の声を読んだ!?うわぁ、むかつくけど神っぽい。
「人間。あまり手間をかけさせるな。こうして会ってやってるんじゃ。本来なら、感謝して泣いて喜ぶところじゃぞ。さぁ、泣いて喜べ。」
まじで、ムカつくこいつ。けど神っぽいんだよな、怒らせたらヤバそう。仕方がない、話を聞いてみよう。
「ものわかりの良い奴は嫌いじゃないぞ。では、いきなりだがお前を転生させようと思う。その際、願いを一個だけ叶えてやろう。さぁ、泣いて喜べ。」
うわぁ、めんどくさい奴。しかし、これはチャンスなんじゃね。そうだ、とりあえず定番のアレを言って見よう。
「願いを増や「やはり、消そうか?」ストップ!今のなし!」
ほんの冗談だろ。ほんとに神かよ。すぐ怒るなぁ。
あ、嘘です。だから、睨まないで。
ところで、願いを増やすのはダメだったか。なら、
「不老不死にしてくれ!」
「ふむ、不老不死か。不死というのは、魂が消えて無くならないということで間違いないな?」
そんなこと、不死じゃないから分からん!でも、多分そうだろう。
「多分。そうだと思います。」
「そうか、わかった。いいぞ。では、転生させるぞ。」
え?出来るの?不老不死が実現出来るとか、やっぱり神すげー。
まぁ、不老不死って言うのは冗談だけど。大変そうだし。
って、もう転生するの!!?ヤバい。
「やっぱり今の無し!」
「残念だが、もう無理だ。諦めるんだな。」
「え、まじ。神様のくそやろー。」
転生間際、誰かが怒っていたような気がする。
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……転生したようだ。でも、外見は九十九和哉の時のままだ。
これはどちらかと言うと、転生って言うより転移じゃね?
まぁ、この際そんな些細なことは問題じゃない。
「俺のからだ透けてるんですけどぉぉぉぉーーー」
そういう事かよ。騙された!
確かに老いって概念無いだろうし、死なないけどさ。
もう死んでるから。もう一度言う。もう死んでるから。
つまり、幽霊に成ってました。
せめて、人間になりたかった。
不老不死って頼んだ俺も悪いんだろうな。
今更騒いでも何も変わらねぇし、二度目の人生(霊生?そもそも死んでるから、生きるって漢字つかえるか?)楽しみますか。