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世の中にまともな人間なんていないんだね。俺、やっとわかったよ。

後悔するって、どういう事だろう。

天パは何が言いたいんだ?

後悔。

したくないよな。


##


そんなある日の朝。教室に入り、Shuutaと目が合った瞬間、

「傑が決心をかぁたぁめぇたぁぁぁっ!!」

おいおいおい……。

いきなりなんだ。

「偉いぞっ!!これで君も晴れて天パ同盟の一員だっ!!」

「なりたくねぇ……。」なんの同盟なんだよ、本当に。てかなんの話だよ。

「…おはよー…。何の話?」此処で龍、登場。俺に聞かれても、俺だって知りませんからね?

「おはよ、龍!あんなー、傑がなー、藤谷さんに告白するんだって!」あ、そーなんだ。へー。そーなん………

っ!?

「誰が何時“藤谷さんに告白する”なんて言った!?」

「今。」

「うっぜ!そーゆー返答マジうっぜ!」てかなんでそういう話になってんだよ!?

「そっか。その希望すらない告白、するんだ。まぁ頑張れ。」

「希望すらないって酷くない!?希望くらいはあると思うんだけど!!」なんで此奴がもてるのか、誰か教えて下さい。まぁ、俺もそこそこもてるけどね?………。

嘘です、はい。ごめんなさい。

「応援してるだけいいじゃん……。」

「そんな応援、いらないよ……。」

「そんな応援すらなかった俺!」天パだ。だってお前は応援もくそもすぐに告白しちゃったじゃねぇか。応援の仕様がねぇよ。そんなもん催促すんじゃねぇよ。てか本当に俺をほっといて下さいませんかね?

「皆、おはよー!」ぱっと笑顔が視界に飛び込んできた。

「あ、藤谷さん。おはよー。」

「藤谷おっはー。」

軽く手をあげて。それぞれの方法で挨拶を返しているはずが、全員動作がかぶっている。

なんでだろうね。

龍と天パとShuutaと俺。性格は違うし、恋敵なのもいるし、正直うざいし、五月蝿いし、邪魔だし。なのに、何時も一緒にいる。

こんな奴等の事を友達、とか親友、とか呼ぶのかもしれない。


「ねぇ、そういえば知ってる?」楽しそうに藤谷さんが口を開いた。

「何を?」

「あのね、」この後の言葉。

いくら藤谷さんのいう事でも、信じられなかった。

「ウチの学年に、空を翔べる人がいるんだよ。」

「あ、そーなん……っどぅええええええええええええええええええええええええっ!?」

Shuutaが叫んでしまうのも、無理はない。叫び声がなんかいろいろとおかしいけど。

だって、空を、翔ぶ、人間?

嘘だ。そんな奴、人間な訳ない。

「……おったまげたぁ……。まじで?」冷静な龍も驚き声をあげる。

「うん。隣のクラスの未佳(みか)ちゃんが教えてくれた。」

空を翔ぶ人間……。あの、Shuutaですら、翔べないのに?いや、それが当たり前なんだけど。翔ぼうとする此奴等がおかしいんだけど。

「ねぇ、皆、その子に興味ない?」

「まぁ、あるっちゃあるけど……。」

「でしょ?」俺等の女神は微笑んだ。「じゃあ、今日会いにいこうよ。」

それで、本当に人間が翔べるのかを見にいこうよ。


そして今に至る。

俺等の目の前にいるのは隣のクラスの変人、泰名奏多(たいなかなた)。てかなんで此奴なんだ。なんで俺の周りに集まってくるのはろくでもない奴等ばかりなんだ。

あ、藤谷さんは別。

「……何、藤谷。此奴が空翔べるって言ってる奴?」

「みたい。」

当の本人は話についていけないらしく、きょとん、としている。

「なぁ。」こういう時、切り出すのは龍だ。「泰名。お前、空翔べんの?」

即答だった。

「ん、そうだっちゃ。」

「どぅええええええええええええええええええええええええっ!?」

「あ、Shuutaは五月蝿いからごめん、黙って。」

本当に、此奴は、空を……?

……いやいやいや。

此奴だって人間なんだ。騙されちゃあいけない。

「じゃあ、やってみてよ。俺、みてみたいなぁ。」

………………。

……そして、いきなり無理を言うのも何時も龍だ。てかそれは無理だろ。どうせ嘘ー…

「ん、いいよん。」

あ、いいんだー。へー。

へー…………!?

いいのかよ!?

「んじゃあまぁ、屋上行ってくるねん。」


##


「なぁ、天パ。」龍が通称天パ、という少年に声をかけた。

「告白しなきゃ後悔する、みたいな事を傑に言ってたじゃん?あれ、どういう意味?」

「あ、聞いてたの?」

「ん。……で?どういう意味?」

傑にも、希望はあるっていう事?

「……さぁねぇ。」

少年はちょっと笑った。

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