表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

此奴等に話しちゃった俺が間違っていた

ああ……。

なんで、俺はっ!


##


五月の風に吹かれながら、Shuutaは、帰宅していた。ふわりとした生温い風が

「……彼を包み、彼はゆっくり後ろを振り返った。すると、」

「……Shuutaは本当、黙っててくれない?」

「そこには冷たい親友がいた……。」冷たくて悪かったな。俺は違う、という表情で龍がそっぽを向く。お前もだぞ、多分。

「あ、一緒帰ってもいい?」

藤谷さんだ。

あの一件以来、よくこのような展開が起きるようになった。正直に言うと、そこは感謝している。

そこは。そこだけは。

「勿論、どーぞー。」軽く返事をするのは龍だ。なんでお前が返事をするんだ。

否、別にいいんだけど。

「やったー、有難う!」

「でも藤谷さんにも友達がいるんだろう?俺等といたらまずくない?阿保がうつるぜ。」Shuuta、お前が言うなよ。

「駄目だってShuuta、そんな事言ったら。傑が可哀想だろ。」お前もお前だ。藤谷さんの前で言うなんて、俺が可哀想だろ。本当に俺が可哀想だろ。

まぁ、いい。


##


「てゆーかShuutaは本当に傑の叶わない恋を応援する気?」藤谷さんと別れた後、龍がなんでもない事の様にさらっと言う。とんでもない言い方だ。

「あぁ、勿論っ!」

「なんで?」

「面白いから!」お前等、最低だな。本当。

「それに、もしかしたら、本当にもしかしたら叶うかも、しれないじゃん。」

「奇跡が起こったらな。起こらないと思うけど。」お前等……。そこまで俺を苛めて楽しいか?

あれ?なんでだろ。前が霞んで見えないや。

「てゆーかそういう龍こそ、好きな人いないの?」Shuutaが尋ねた。性格は論外だけど顔も悪くないしスポーツ万能、成績優秀の龍だ。リア充になろうと思えばすぐになれるだろうに。

「別にいない。そういうShuutaは?」

「さぁ?」そう返事する奴って、絶対好きな人いるんだ。

「まぁ俺の事はどうでもいい。」言い出したのはお前だぞ。「今は傑だっ!」

忘れてくれ。もう俺の事はいいから。お前に話してしまった俺が間違ってたから。お前と友達になってしまった俺が間違ってたから。

「叶わない恋じゃん。」

「お前はどんだけ俺を傷つけりゃ気が済むんだっ!」龍っ!未来形リア充めっ!

「まぁ、応援はするよ。多分。」多分⁈「それで良し!」何が⁈何処が⁈

「問題は藤谷さんをどうやってこんな最低男に振り向かせるか、だ!」最低男に最低男って言われたー。

やばい、泣きたい。

「恋愛のスペシャリスト、朝霧龍君っ!君はどう思う⁈」

龍は即答で言いきった。

「不可能。」

「応援するんじゃなかったのか⁈」思わず叫んでしまう。

「だって事実だから。」

「言っていい事実と言ってはいけない事実があるんだよ⁈」

「言っていい事実じゃ、」

「ないよねぇ⁈」全く。その位わかってくれよ。

「じゃあ作戦実行は明日だ!」いや、作戦ってなんですか。まだ誰もそんな物出してなかったと思うんだけど。

「おう。」だからなんであんたは納得出来るんだよ!


##


しかし、

Shuutaの言う作戦、は、実行不可能になった。

最悪だ。実行するのも最悪だったけど、この展開も最悪だ。

クラスメートの通称天パ君。お前のせいだ。

「藤谷ぃー。俺と付き合ってよ。」

ぽつんと呟くのは龍だ。

「……傑と天パだったら、天パを応援したいね、俺は。」

おい。

……。

ああ……。

なんで俺は、こんな奴等に話しちゃったんだろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ