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監視カメラに映った女の子

作者: 中川クルス
掲載日:2026/01/02

※ホラー短編です。

誘拐・失踪事件をモチーフにした不気味な脱出系ホラーですので、そういった題材が苦手な方はご注意ください。

一話完結です。よろしければ夜にどうぞ。

これは私が遠隔ハッキングを練習していた時の話。


詳しくは書けないが、当時から乗っ取ったスマホやPCを家のPCからいじって遊ぶのは何とも言えない楽しさがあった。


その夜も昼間に仕込んだものを開いていた。

ノートPCを持ち歩きながら適当に外をフラつくと、建物の中から飛んでいる信号をキャッチし、ジャックできる。

自室のPCで見ていると、今日はどこかの監視カメラのジャックに成功したようだ。

古い建物の中が9面に分割して映し出されている。

何気なく見ていると、画面の一つに泣いているらしき少女が映っているのが見えた。


夜の22時だ。


こんな時間に、こんな人気のない建物になぜ少女が??

疑問に感じてその部屋の画面を拡大して見てみた。


やはり少女だ。

女の子は黒髪で短髪。

小学校5年・6年生ってところか?うずくまって泣いているように見える。

閉じ込められたのか?


いや、どうも様子がおかしい。

他の部屋のカメラの映像には電気椅子のようなものが置いてある部屋、古い処置用のベットが置いてある部屋、事務室のような部屋や廊下が映し出されている。

ここはどうやら病院のようだった。

そしてその様相はどう見ても生きていない建物だ。


その少女に話しかけてみる。


『あー、あー、聞こえる?そこのうずくまってる白いシャツの女の子、私の声は聞こえる?』


少女がハッと顔を上げた。キョロキョロしている。どうやら私の声が聞こえているようだ。


『正面の天井に監視カメラがあるでしょう。私はそこから話しかけている。こんな時間にそんなところで何をやっているの?』


「あの!誰だかわかりませんが、助けて下さい!おうちに帰りたい!お母さんとお父さんに会いたい!」


少女が必死にこちらに向かって話しかけてくる。


『おかしな事を言うわね。そこから出て帰れないの?迷子?どうやってこの建物に入ったの?』

質問を投げかける。


「知らないオジサンに連れてこられました・・・ドアは鍵がかかっていて出られません。」


・・・なるほど、誘拐されたのか。気まぐれに助けてあげる事にしよう。

普段他人がどうなろうが興味はないんだけど、小さい子だし、このまま放っておくのも可哀想だ。


そうなると、どこかにこの子を連れてきた男が映ってるのかしら?

先ほどから一通り見ているが、男らしき人物は見当たらない。


『あなたの名前は?住所は?家族の連絡先分かる?』

とりあえず家族と警察に連絡するか。


「私の名前は冷泉実来ーれいぜいみらいーです。住所は●●県××市~、電話番号はxxxxーxxxx」

んー、冷泉実来 ??どこかで聞いたことのある名前。

気になって検索をした。


・・・は?インターネットの記事が出てきた。


【2019年10月10日、4年前から行方不明だった冷泉実来ちゃん(11)が✕✕川河川敷にて遺体で発見】


そうだ、これは一時期大騒ぎしていた児童行方不明事件のニュースだ。・・・まさか本人?


ー2015年8月8日土曜日、父親の実家に帰省していた冷泉実来ちゃんが行方不明となり、捜索を続けていた。犯人は未だに見つかっていない。ー


まさかとは思うけど、私の見ている映像の子はこの死亡した冷泉実来ちゃんで、監視カメラを通じて過去と繋がっている?


『実来ちゃん、今日は何年の何月何日?』

こういうのは考えるより聞くが早い。


「え、、2015年8月8日土曜日ですけど」


まさかの当たり?!

『顔、もう少しカメラに近づけて!』

実来ちゃんがカメラに顔を近づける。記事の写真と見比べる。

間違いない、この記事に写っている子、そのまんま本人だ。

どんな現象か分からないが、いまこのカメラは過去と繋がっている。神様か、はたまたこの子のご先祖様が私に「救え」と奇跡を起こしたのか。


ーやってやろうじゃない


神だかご先祖だか、見てなよ。私がこの子を助けてみせる。

過去と繋がっているならこっちの家族や警察に連絡しても無駄か。

とにかく無事にこの建物から出すしかないわね。


『実来ちゃん、携帯とか持ってる?』

持っているなら早い。その場で110番して。


「持ってはいるけど、私のリュックはここにはないの」

まぁ、そりゃそうか。

仕方ない、探索して部屋から出る方法を探すしかない。


部屋は8畳ほどの病室で、ドアは外側から鍵がかかっている。机と椅子とベッドがある。柱に時計がかけてある。窓はないが、ドアと逆位置の床にハッチがある。


完全に理解した。散りばめられた謎を解いてハッチから脱出するのね。


『まずは机の引き出しを開けて何かないか確認して。』


「わかった!お姉ちゃん!」


実来が引き出しを開けると、メモ用紙が入っており、何か書いてある。


【にとなみらなすち】


ふふ、楽勝だわ。

これはキーボードのタイプ配置のローマ字をひらがなに換えているだけ。謎にもならない。

isunoura→椅子の裏だ!


『実来ちゃん、椅子の裏を調べて!』


「はい!」

実来が椅子の裏を調べる。


「あ、また メモがあります!」

メモを読み上げる。

「トマト・ケチャップ・いちご・アカムツ・うどん・ラーメン・・・」


ふっふっふ縦読みだ

トマト

ケチャップ

いちご

のどくろ(アカムツ)

うどん

ラーメン


時計のウラ笑 楽勝すぎ!!!

『実来ちゃん、時計のウラよ!』


「はい!」


実来が時計を裏返すと、鍵が貼り付けてあった。


『キタァ!その鍵でハッチを開けられるかしら!?』


「やってみます!」


ーあん?監視カメラの別のチャンネルに、何か動くモノが映っている。その画面を拡大して戦慄をおぼえる。


ナンダアレ、、、


二足歩行の大型のソレは、身体が上下左右に不自然に揺れながら廊下を移動している。明らかに人間の動作とは思えない動きだ。

おそらく実来のいる部屋にいくつもりだろう。あんなオゾマシイ怪物が実来を狙っているのか?


急いで実来のいる部屋にチャンネルを戻す。ハッチを開けたところだ。梯子が見える。

これを降りたら助かるのか?この梯子の先はもう監視カメラが映らないエリアだ。つまり私にできるのはここまでということか。


『実来ちゃん、そのハッチ、梯子を降りながら閉めて、内側から鍵をかけなさい。無事に逃げ切ってね!』


「ありがとう、お姉ちゃん」

実来は泣きそうな顔をしていた。その表情をみて私も目頭が熱くなる。

こんな小さい子をこんな怖い目に合わせるなんて、どこの誰だか知らないけど、やめてよね。どうか、無事に逃げ延びてほしい。


ガアン!!!


ドアを殴る轟音が響き渡る。実来は驚いて梯子を降りながらハッチを閉める。その直後、バゴン!という音と共にドアが破壊される。


あ、あはははは!あんな巨体じゃあのハッチは壊せても通れない!実来は捕まえられない!私の勝ちだ!


ボエエエェェ!!!!!


怪物が悔しそうに唸る。そして、、監視カメラに気が付いた。こちらの方に首を傾げながら向かってくる。


ー静止



・・・オ マ エ ノ シ ワ ザ カ ユ ル サ ナ イ・・・



口がそう動いている。私を認識したのか?!私はこの怪物が部屋に入って来てから声を出していない。

カメラ側からはこちらは見えないハズだ。それなのにナゼだ!?

もう少しこの建物を調べたかったが、これ以上はヤバそうだったのでハッキングを解除した。


ふー


ため息をついて天を仰いだ。実来は無事に逃げただろうか。

先ほどと同様、インターネットで検索するが、記事が出てこなくなった。ということは、事件にならなかったということだ。

私は過去を変えることができたのだろうか。

実来は助かっているのだと考える他ない。しかし謎は残る。


まずあの大型の怪物は知性がそこまであるとは思えない。実来を誘拐したのはきっと別のヤツだと思う。

という事は、単独犯ではないということだ。大方、家族に恨まれているヤツがいるんだろうな。

それからあの怪物、時代は違うがいずれ私のところに来そうだな。

念の為、引っ越しをしておくか。


時計を見ると、深夜の23時半だった。


実来が言っていた住所と電話番号はメモしてある。少し怖いが、明日、家を訪ねてみようか。



To Be Continued

ここまで読んでいただきありがとうございます。

「監視カメラ越しに見た“過去の少女を、どこまで助けられるか”」というテーマで書きました。

少しでもゾクッとしていただけていたら嬉しいです。


感想や評価、ブックマークをいただけると、今後のホラー短編制作の励みになります。

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