宇宙怪獣ギャオース 新兵器:超耐性反射鏡《ハイパーミラー》の威力!
「目標、レッドラインを越えました」
「米軍より伝達。これより目標に攻撃を加えるとのこと」
「周辺地域の民間人の避難完了しました。
千葉だけでなく東京、神奈川、茨城にも避難警報を発令しています」
「目標あと一時間足らずで九十九里に上陸します!」
あわただしく報告をするオペレーターたち。
モニターには千葉県沖の様子が映し出されている。
海の中からゆっくりと姿を現したのは宇宙怪獣ギャオース。
突如として宇宙より飛来したこの怪獣は主要な都市や国を破壊しながら大陸を横断。
ついに日本へとやって来た。
黒くごつごつした肌。
ギザギザの牙。
たくましい腕と足。
映画でしか見られないような巨大怪獣。
それがまさに現実のものとして顕現したのだ。
「房総半島をまっすぐに横切って東京湾へ潜り、
このまま東京へ上陸するものと思われます」
モニターを見守る首相に総司令官が耳打ちする。
「経済的損失は天文学的な数字になりそうだな」
「ご安心を、わが国には秘密兵器があります」
モニターに巨大な飛行機が映し出される。
ホバリング飛行するその機体の先端には、巨大な鏡が取り付けられていた。
「なんだ、あの鏡は」
「あれで敵の熱射砲を跳ね返すのです」
「なんだと⁉ そんなことが可能なのか⁉」
熱射砲は数々の国を灰にした恐ろしい必殺技。
それを跳ね返せるとはとても思えない。
「熱射砲きます!」
オペレーターが叫ぶと、ギャオースは口からまばゆい閃光を放った。
ばばばばばばっ……ぴかー!
閃光を伴うエネルギーの塊は鏡の部分に命中。
そして……。
ぴかー! ばばばばばっ!
なんと! 鏡が敵の攻撃を反射しているではないか!
「おおっ! やったぞ!」
「いいえ、まだです!」
怪獣は続けて二発目、三発目を放射。
しかしその全てを反射する鏡。
これは勝負あった!
誰もがそう思ったその時だ。
「チキュウノ……ミナサン……キコエマスカ?」
謎の交信が指令室に響く。
「トテモ……タノシカッタデス。
アソンデクレテ……アリガトウ。
……サヨウナラ」
怪獣はそう言うと、両手を万歳してそのまま空へと飛びあがる。
モニターを食い入るように見つめる一同。
「終わった……のか?」
「どうやら我々の新兵器に恐れをなしたようですね」
「我が国の技術力は世界一だ!
やったぞ! 世界は救われたんだ!」
「そうですね! ばんざーい!」
「「「「ばんざーい!」」」」
「コンドハ、カゾクトイッショニキマス」
「「「「ふざけるなー!」」」」