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第1話 リア充にムカつきながら死んだら復讐者として召喚されました。

 


 勇者として異世界召喚されてチートスキルで大暴れ。


 最近よく聞くようになった小説のジャンルである、残業を終えて家に帰ると、時間的に酒を飲みながらネット小説を読む位しか出来る事が無いので、何本か有名な所を読んだ。

 まあ結構面白かったよ、まさか自分の身に起きるとは思わなかったが。


 自分の名前は村田光(むらたひかる)、30歳、中小企業の総務課勤務・・・・





 それは12月25日、クリスマスの夜だった。

 脂ぎったニヤケ顔の上司に「君、どうせ予定なんか無いんでしょ?」という、女子社員に向けて言ったら一発アウトなセリフと共に、いつも通りの残業を命じられた・・その帰り道。


 早く家に帰ろうと点滅信号を小走りに渡ろうとした所に、横から車が突っ込んできた。

 振り返った時にはもう遅い、最後に見た風景は「運転中にもかかわらず助手席の女にキスしようとしているチャラ男の姿」・・前なんか見てやしねえ、、ていうか隣の女も止めろよ。


 体に強い衝撃を受けた時最後に思ったことは


「こいつら、殺してぇ・・・」


 だった。


 クリスマスの奇跡なのか何なのか知らんが、気づいたら異世界転生して現在に至る・・・と。



 でもさ、ちょっと待って・・・・何この状況。



 何やら薄汚れた倉庫のような建物の中、目の前には一緒に召喚されたらしい銀髪をポニーテールにした美女・・・これはいい、やっぱ美女(または美少女)のヒロインは必須だよね、足元には魔法陣らしきもの・・ちょっとおどろおどろしい気もするけどこれもまあお約束。


 そして自分たちを召喚したらしい術者?の男、貴族っぽい服を着てるから身分は高そうなんだけど、薄汚れていて目が血走っている、手に持っている短剣からは血が滴り、その足元には生贄にしたらしい鶏の死体って、オイ。


 これ勇者召喚っていうより「悪魔召喚」とかそっちだろ、どう見ても!


 自分が読んだ小説だと大抵スタートは城で、目の前には王様とか宮廷魔術師とかが居たりするもんなんじゃないの?



「成功・・・したのか??」


 目の前の術者?の男が震える声でつぶやくのが聞こえる。


 いやもう訳が分からないし、言葉は通じそうだからどういう状況なんだか聞いてみよう。

 そう思って口を開こうとした時、それを遮るように目の前の美女から声が発せられた。


「一体これはどういう事なのだ?」


 それはそれは渋いバリトンボイスだった、中々の美声なんだけど完全にいい歳行った親父の声である。

 吹替の声優を間違えたとしか思えない。喉仏も無いし女装とかじゃなさそうなのに、声帯がどうなっているのかとか細かい事は気にしちゃダメなんだろう、うんそうだ、そうに違いない。まあ異世界なんだしそんな事も有るだろう。


「我が名は伍子胥(ごししょ)、私の記憶が確かならば、、私は自らの首を刎ね死んだ筈だ。なのに何故このような所にいる!?しかもなぜ私は女子(おなご)になっておるのだ、訳が分からぬ」


 ア、ハイ、自分にも訳が分からないです。それと「超美人のヒロインキター」と一瞬でも盛り上がった自分の感動を返してください。

 あと自分の首を自分で刎ねて死ぬとか、どんだけ壮絶な死に方してるんですかあなた。


 自分も伍子胥さん・・だっけ?も、転生組は突然呼ばれて訳が分からない状態というのは分かった。

 と言う事はこの術者?さんに話を聞くしか無いわけだけど。


 自分たちの視線がその術者?さんに向かうと、その術者?が自分たちに向って大声で吼えた。


復讐者(アヴェンジャー)よ!我が復讐を成し遂げさせ給え!!」



 ・・・・復讐者(アヴェンジャー)


 誰が?、、え?俺?



本日は取りあえず2話まで、年内は毎日更新します。

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