プロローグ
処女作です。期待しないでね(はあと
その場にいる者の風格を表すように鎮座している調度品のなかに、ある男が窓の縁に肘を乗せ、外をボっーと眺めていた。
「はぁ……」
「どうしたんですかため息なんかついて」
「ん?…あぁ、気にするな」
「主が休憩しているとき、毎度毎度ため息つかされる側の臣下が、『気にするな』と言われて、はい分かりましたなんて言えるとお思いですか?いや、立場的には言わなければいけないんですが。」
「じゃあ気にするな」
「はぁ。。まあいいです、はいこれが建国記念式典の資料です。また、同時に各地で行われる祭の開催地へ運ばせる物資と記念品の候補をリストにしたものも含まれているので…………—」
「あー、クリス、わかったわかったから。やっておくから。」
手をひらひらと払った男は、早く行けと言わんばかりに了解の意を示す。
主との恒例となったこのやり取りにクリスと呼ばれた女が苦笑いをしながらもこの部屋を後にした。
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その男はある時には、平和を願い戦いに明け暮れ、ある時には人々をまとめ上げ一つの国を興した。
その国はある時には、王の意志の元に動き繁栄し、ある時には王の意志に背き繁栄し、この数百年に渡り栄えてきた。
大陸にいる、ある者たちは言う、かの王は王国を繁栄せし賢王だと。
ある者は言う、かの王が指揮する戦には勝てぬと。
その王が天寿を全うし代替わりをしても、何度も何度も同じような王が現れる。
祖父が違い、親が違うはずなのにそれが何度も何度も繰り返し起こった。
そして男は窓の縁に肘を乗せ外を眺めながら「はぁ…、俺そろそろ王様やめたいんだけど…?」とため息混じりに呟くのだった。
次回更新すら未定です。(どやあ