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下らん!
唐突だが、私はゴリラである。
今は群れを作らず小説を描いて暮らしている。
これから綴るのは、私がこの小説を描くに至るまでの軌跡である。
私は仲間より知性があった。それ故群れから迫害を受けた。
当時の私は余裕がなく、また酷く冷静であった為、仲間から凄惨な仕打ちを受ける日々を予期すると同時に一目散に群れから抜け出した。
群れから抜け出してもやる事は変わらなかった。近場の木から食材を採取し、自身の腹の減り具合を見ながらそれを適度に補給するだけの毎日だった。
何と退屈な日々であろうか。このまま食事と睡眠だけで生命活動を終わらせてしまうのか。
下らん。