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INVADERS  作者: 心人
幻想と現実の狭間で
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8話

マイヤーが麻袋に現金を詰めて帰ってくる頃には正面に見えるだけでもパトカーは十台近くまで増え、

包囲を終えた警官による拡声器によるテンプレートな勧告まで始まっていた。


いい感じに警察官も集まってきたしそろそろ始めるか。


帰ってきたマイヤー達2人とケータイと財布の回収の監視を終えた2人を招集する。


「ここまでは計画通りだ。次は外の警官共追い返して本命に出てきてもらう。うっかり殺したりするんじゃないぞ」


自意識があるか未だよくわからないし、

機械のように忠実に従うこいつらにうっかりがあるかもわからないが、

気持ちが昂っている俺はとにかく喋りたくて仕方ないのだ。


そして、それに答えるように黙って頷く彼らに満足すると号令を出した。


「よろしい諸君、それでは我々の晴れ舞台だ。張り切ってい行ってこい。」


今度は頷く代わりにビシッとした敬礼で返した4人は正面の自動ドアへと歩いていく。


自動ドアの前に立つ頃には外の警官たちも中の異変に気が付いたのか拡声器の勧告が止み、

並んだ銃口が入口へとむけられる。


ゆっくりと開いていく自動ドア


その前に立ち並ぶのは4人の黒軍服


黒い軍帽にガスマスク、腰にはサーベルを帯刀している。


先ほどまで手にしていた拳銃はすでにホルスターへと収納され手には何も持っていないのだが、

格好に威圧感があるらしく、

パトカーを盾にして待ち構える警官たちは武器を持つ手を震わせ額に汗を浮かべている。


そして拡声器を持った警官が何かを告げようと拡声器を持ち上げて口を開きかけた瞬間だった。


4人の黒軍服は矢の如く駆けだして待ち構える警官隊に向かって突っ込んだ。


「うぁああああああああ」


一人の警官が恐怖に駆られて手にした銃の引き金を引く。


するとそれにつられてほかの警官たちも銃撃を開始する。


「おい、バカやめろ。後ろには人質がぐぁっ」


銃撃を制止しようとした警官は殴り飛ばされて転がっていく。


こうなるともうだれにも止められない。


「クソッ、銃が効いてないぞ。」


「こいつら人間じゃねぇ、怪人だ。怪人が出やがったんだ」


「本部に連絡急げ。軍と研究所に救援要請だ。」


今更気が付いても遅い、こちとら重機関銃すら効かない体なのは確認済み。


仕留めるなら戦車砲クラス、最低でも機関砲がないと対抗もできないだろう。


銃が効かないのだからさっさと帰ってフォースレンジャーと代わるがいい。


圧倒的な力の差を見て満足げにソファーでふんぞり返っていたのだが、

俺も異世界の警察を甘く見ていたらしい。


よくよく見ると恐怖に駆られているのは一部で、

大半は未だに戦意を失っていないのだ。


「軍が来るまで時間を稼げ、戦えない奴は後ろに下げろ」


「来るな、来るなああああああ」


「銃はやめろ、仲間や人質に当たったらどうする。電気警棒だ。電気警棒で応戦しろ。」


「ダメだ、あいつら早すぎる。警棒の間合いじゃ対抗できない」


「それじゃ盾だ。盾で囲んで数で押しつぶせ」


とはいえ盾を持って囲んだところで基本スペックが違うのだ。


盾ごと蹴るだけで3、4人まとめて無力化できるのだから囲まれようともマイヤー達は苦にもしない。


蹴られたり投げられたりでまさに人が宙を舞っている。


それなのに警官隊の勢いは衰えない。


あまりの勢いに蹴散らされ宙を舞う警官を見ているこっちが段々と気圧されてきた。


警官共はやけくそにでもなってるのか?


乱闘の様な状態になって2、3分も経つ頃には恐慌状態の警官は全員下げられていて

代わりにライオットシールドやさらに頑丈そうな防弾盾もしくは警杖を持ったやる気十分な警官たちが次々に補充されてくる。


こっちに殺す気がないからいいものの、

殺意があったら血の海でもつくる気だったのか?

そんな疑問が頭をよぎるが、

まさか武器があるのに使わない、

なめた態度が気に食わないからとかじゃないよな。


「機動隊員をありったけ投入しろ。警察の意地を見せてやれ」


そうじゃないことを祈ろう。




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