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INVADERS  作者: 心人
幻想と現実の狭間で
25/47

24話

年が変わる前になんとか投稿、

謎の難産に襲われて危なかったです。

見返したら改稿しないといけないかも。

次の日に高橋と名乗った老紳士は現れなかった。


約束の時間に公園のベンチで俺を出迎えたのは機密情報が詰まった封筒がいくつもはいっている鞄だけ。


鞄には機密情報の書類以外に偽造したと思われるいくつかの身分証と連絡先が一件だけ登録されたスマホが入っていた。


そこまで頼んだ覚えはないのだが、どうやらサービスらしい。


気に入られるに越したことはないし、

なにより自分に足りない情報を持っている。


代替手段がない以上これは何物にも代えがたい価値がある。


とは言え、完全に信用するのは問題があるから、スマホはもう一台用意しとくか。


スマホだけじゃない身分証に書いてある住所だって行けばアパートの1室が用意されているのだろうが、

安易に使うのはよろしくない。


活動拠点ならホテルに一部屋取ってそこを拠点にした方ががいいだろう。


悪党としては根無し草のほうが居場所もバレにくいしなにかと都合がいいだろう。


-------------------------------------------------


前言撤回、拠点は必要だ。


とりあえず2台目のスマホを購入し、ちょっとお高めのホテルに入ったまではよかったのだが…。


ゆったりつかれる風呂とふかふかのベッドに完全敗北。


野宿やシャワーだけで過ごしていたせいでこういったありがたみを忘れていた。


野宿に耐えられる体だったというのもよくなかったとも思うが…。


一度味を知ってしまえば自分のものが欲しくなる。


それが人間の性というもの。


身体の方は人間離れしてしまったが心の方には人間性が残っているらしい。


そういう意味ではフォースレンジャーも似たようなものだった。


人間離れした戦闘力をもつ彼らだが、

フカフカのベッドに埋もれながら読んだ資料によると実に人間臭い。


非番の日、レッドとピンクはだいたいデート、グリーンは女漁り、イエローはパチンコと競馬に麻雀、ブルーだけは図書館に行ったりトレーニングしてたりでくそ真面目だが。


一体いつ息抜きをしているんだろうか?


それとも、自分より年上の世代にたまにいる仕事が生きがいというやつなんだろうか。


自分には絶対無理だ、というか無理だった。


仕事というやつは必然的に嫌なことや面倒なこともやらねばならない、そんなことしていればいろいろと疲弊するのは当たり前だしストレスがたまる。


それに娯楽が充実していく現代社会において仕事より楽しいことなど探せばいくらでもある。


そんな中で休日まで仕事のために使うなんて苦行以外の何者でもない。


まぁブルーの趣味が勉強やトレーニングだと言うなら別だが、それだって自分の感性からしたら生きてて楽しい?と問わずにはいられない。


一度話してみるのも面白いかもな。


そんな人間丸出しのフォースレンジャーだが、その誕生は悲惨そのもの。


なにせ人体実験の産物なのだ。


フォースレンジャーのメンツは無数の実験の果てに導き出された適正検査を受けた上でのようだが、

それ以前が酷すぎる。


重犯罪者や何処からか買い付けてくるらしい人間、

それに怪人事件に見せかけて拉致した市民。


手段問わずにかき集めた人間を片っ端から人体実験にかけている。


フォースレンジャーは成功例だが、失敗例には目も当てられない。


なんらかの後遺症ですら運の良い方、

精神崩壊や植物状態、死亡例すら山積み。


その中で特に多いのが怪人化だ。


なんらかの特殊能力と引き換えに自我や理性が消えている様は野良の怪人と変わらない。


まぁ野良の怪人とそもそも会ったことはないが……。


とにかくやっていることは悪の組織そのもの。


それにしてもこんな犠牲の上で正義ごっことは滑稽なんてレベルじゃない。


シンプルにバカという他にない。


ブルーだけは軍属のようだし、

少しは知った上での活動のようだが軽くプロフィールを読んだだけでも真面目とわかる人間だ。


よく耐えていると言ったほうがいいのだろうか?


軍側の思惑もあるんだろうがやはり実働部隊と言うのはこき使われて大変なようだ。


だからこそ興味が湧くというもの。


これは一度接触するしかない。


与えられた任務としては絶対に必要ないが、

今後も任務を遂行することを考えればその中に楽しみを見つけるというのはやる気を引き出すのに必要なことだ。


「ふふふふふふ、ハッハッハッハッ」


これからのことを考えるだけで笑いが止まらない。


さぁ準備を始めよう。


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