β25 未来に☆新星あらわる
□第二十五章□
□未来に☆新星あらわる□
――この流れ星を見た時。
二人は共に、笑顔のかわいい赤ちゃんの姿を胸に去来した。
お客様のいるガーデンパーティー中、ふと、目が合った。
「可愛いね、玲、見えた?」
にこっとした。
「うん、可愛い」
「男の子かな? 女の子かな?」
「美舞にそっくりだよ。だから、女の子に決まり」
でれでれである。
「え、僕は、女の子らしくないよ」
「十分、女の子だよ。可愛い奥さん。お嫁さん、妻。何て呼ぼうか」
「おーい、妻。お茶を」
家族の居なくなってしまった玲には、嬉しい事この上ないのである。
「何その小芝居」
恥ずかしい、美舞。
「……つ、妻。かな?」
耳たぶをつまんで、なかった事にしたい、美舞。
「いいね、妻。いいねー!」
玲は、何か、ノリノリ。
「あ、玲君、お酒入っている?」
「いいえ、俺は、飲んでましぇん」
「お酒臭いよ」
「今日からは、玲って呼んでください」
ビッと頭を下げた。
「は、はい。……れ、玲」
「でさ。一人娘になるのかな、僕みたいに。大変だよ」
まあ、あらゆる意味で。
「そりゃあ、大変だろう。美舞みたいに、お転婆では。なあ」
「うーん、結婚式にそんな事言わないでよ」
「さて、美舞、我が子の運命は大丈夫かな?アレの話」
そう、痣と、カルキ。
「強い運命を持っていると思うよ。アレの話は、もう、終わったよ」
「もう、闘いは終わった筈なのだがね。心配はしている」
運命とは、恐いものである。
「そうね。手には、五芒星や逆五芒星の痣はあるのかな。僕も、心配している」
「ないに越した事はないな」
「そうだね」
二人は、ふと、物思いに耽った……。
そして、空を仰いだ。
夜空を。
Fin
いや、この夢の様な物語は、まだ続くのである。
未来を担う子よ、我らのもとに美しく舞い出でし給へ。
さあ、素晴らしき世界へ――。
□第一部□ 完
***
□第二部□へ続きます。
第一部、完結となります。
これまでお付き合いくださった皆様、誠にありがとうございます。
この素敵な星を感じて、第二部へと参りたいと思います。
よろしくお願いいたします。




