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β12 狙われた神☆純潔の人類がいる

□第十二章□

□狙われた神☆純潔の人類がいる□


   1


「そして、今に至る……と言う訳だ」

 玲は一気に話し切った。

 その話の内容は、普通の人なら一笑に付すものだが、玲の真剣な顔をみて、美舞は信じざるを得なかった。

 実際、美舞はその力を使えるのであるから。


「で、僕が受け止めなければならない事って?」

 美舞がさっきから気になっていた事を訊いた。

「ああ。その話には、まだ続きがあってね」


「続き?」

「その時に残ったのは、新人類だけではなかった」


「?」

 美舞は疑問に思った。

 一体どうなっているのであろう。

「神なる者はとある国のとある高原に僅かながら残っている。勿論、力を持ち、高度な文明も持っているが、野心はなく、言わば新人類の傍観者という立場をとっている」


「……」

 美舞はしっかりと聞き入っていた。

「そして、聖なる者も魔なる者も僅かながら残っている。でも、彼らは力を失い新人類と共に生きて来た」


「ふーん。それで……」

 早く続きを聞きたかった。

「でも最近、その力を使えるものが出て来た」


「え?」

 吃驚する美舞。

「それが美舞先輩とそのご両親と言う訳」


「……?」


   2


「美舞先輩のお父さんは魔なる者、お母さんは聖なる者の純血人類なんだ。そして貴女は……」

「ハーフって訳だね」

 美舞は驚いている割には淡々と言った。

 玲は頷いた。


「聖魔のハーフは普通、力を失うんだけど、稀に両親の力を受け継いで生まれる者がいる。その時、そのハーフの力は強大なものとなる」

「僕にそんな力が……?」

 両手を見つめる美舞に、玲が説明した。


「その君の存在が、神・聖・魔に知られてしまった。そして、美舞先輩を手に入れようと動き出した」

 玲は怖い顔になった。

「何で?」

素直な美舞の反応であった。


「美舞先輩の力を利用して、地球上を支配するためさ」

 目を瞑って言った。

「僕はそんなのに協力する気はないよ」

 当然である。

 玲もそう思った。


「そこが不思議なんだ。彼らはどうやって美舞先輩の力を利用するのか。貴女の意志無くして力は使えない事は知っている筈だから、強引に拉致しても意味がない。……まあ、兎に角、俺は美舞先輩を護る為にここに来たと言う訳だ」

「でも……。僕より弱くてどうやって護るつもり?」

 美舞はいたずら好きの少年の様な顔で笑った。

 玲はそれに苦笑しつつも言った。


「まあ、いないよりはいいでしょう」


挿絵(By みてみん)

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