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彼の生きる殺戮人生  作者: 岩下 圭
学園 騒動編
18/50

転科

俺達が入学してから一年が経った。

これからは午前の授業は座学で、午後の授業は実技の授業になる。

実技の授業は、前衛科と後衛科に別れる。

前衛科はその名の通り、前衛の役職のもので、身体強化や攻撃型の能力を持つものが多い。

後衛科は、主に支援や回復などの戦闘向きではない能力を持つもの達だ。

レオンとマリナは前衛になり、俺の能力は『治癒』なので後衛になるはずだったのだが、


「何故ヒイロ様が前衛科では無いのですか!」


先生に直談判しに行っていた。


「まあまあ、マリナ落ち着きなよ。ヒイロさんは能力が『治癒』なんだから仕方ないじゃ無い。」

「でも、ヒイロ様は前衛でも群を抜いているくらい強いじゃない!」


ロミアが止めるがそれでも止まらない。

ちなみにロミアは後衛科だ。

ロミアは俺と同じ『治癒』なので当然だろう。

今では俺が能力のコツを教えているおかげかかなり能力が向上しており、回復速度が上がってきている。

マリナが先生に凄むので、止めようと声をかけようとした時、学園長がやってくる。


「やあやあ、揉めてるのかな?」


(面倒なのがきた。)


「そんなに嫌そうな顔をしないでよ、ヒイロ君。で?何が起きてるんだい?」


先生が事情を説明する。


「なるほど。ヒイロ君を前衛科に、か。ん〜。ま、良いんじゃない?」


は?何を言ってるんだこの教師は。


「学園長。そんなに簡単に決定事項を変えて良いんですか?」


流石にツッコミを入れる。


「いや、普通はダメなんだよ?でも、学園で『最強』とまで呼ばれてる君だからね。そりゃ前衛科でも良いんじゃないかな〜、と思ってね。」


ニヤニヤしながら言う。

きっと面白そうだとか思って言っているんだろう。


「お言葉ですが、その呼び名は噂なだけで俺は最強じゃありませんよ。」

「そうかな?君はかなり強いと思うよ?下手したら私より強いんじゃないかな?」

「まさか、『超越者(アルティメット)』に勝てるわけないじゃないですか。」

「やめてよ〜。その呼び名恥ずかしいんだから。」


微笑みながら嫌味を言うと本当に恥ずかしいのか顔を手で覆っていた。

そんな学園長を見ているとクイクイと袖が引っ張られる。


「ヒイロ様は私達と一緒に授業を受けられるのがお嫌なんですか?」


マリナがウルウルとした瞳で聞いてくる。


(マリナ、それは反則だ。)


「そんな事ないじゃないか。俺はお前達と授業を受けたいと思っているよ。でもね、規則は簡単に……」

「なら、良いんだね。はい、決定〜!」


俺がマリナを説得しているうちに決められた。

思わず殴りたくなる衝動を抑えながら溜息をつく。


「はぁ〜。わかりましたよ。前衛科に通いますよ。」

「うんうん。君はそうでなきゃね。」

「ロミアごめんな。午後はお前を1人にしてしまうがちゃんとやるんだぞ?」

「はい。わかってます。私はヒイロさんに教えて貰ってますから大丈夫ですよ。それよりマリナやレオンを見ててあげてくださいね。」


ロミアに感謝の意味も込めて頭を撫でる。

ロミアもこれが気に入っているようだ。

そして、ロミアの頭を撫で終わった俺は学園長を睨む。


「そんな目で見ないでおくれよ。照れるじゃないか。」


無茶苦茶イライラしたが飲み込みその場を去る事にした。


次の日の午後、俺は早速授業を受けていた。

授業は二人一組で組手をするもので、俺はレオンと組んでいた。

マリナは俺と組もうとしていたが、女子と男子では組んではいけない為、俺は説得し、他の女子と組んで貰った。

女子と男子が組んではいけないのは男子がどさくさに紛れてやらしい事をするかららしい。

確かにどんなに触っても組手だからという理由で正当化できる為、禁止になったのだろう。

授業開始の合図を受け、俺とレオンは組手を開始する。

いつもやっている訓練と違うことは木刀を持っていることだ。

俺はレオンとやるときはいつも素手でレオンは真剣なので、俺が武器を持っている面でも違っていた。

俺はレオンと組手をしながら、他の生徒を見る。

皆それぞれが組手をしているがどれも技術が足りない。

そんな様子を見ているとレオンが話してくる。


「兄貴、余所見してないでちゃんと戦ってよ。」

「なら、俺に余所見する隙を与えずに攻撃してみろ。そしたら、ちゃんと戦ってやる。」

「よーし、行くぞ!」


レオンの剣速が上がる。

俺はそれを捌きながら、レオンの剣速に感心する。


(よく一年でこれ程の剣速になったな。なら、そろそろ6割を見してやるか。)


俺はまだレオンに5割しか見していない。

レオンはまだ俺の5割に押されているので、上を見せていないのだが、そろそろ見せても良い頃合いかもしれないので、見せる事にした。

レオンが剣を打ち込んでくるタイミングに合わせて自分の剣をレオンの剣の軌道上に置く。

レオンの剣が当たると同時に自分の剣を殴り、無理矢理レオンの剣を横に逸らす。

そして、そのままレオンの腹に剣を振り抜く。


「グェッ!」


レオンが吹っ飛び地面に倒れる。

それを見ていた周りがヒソヒソ言っていたが、気にせずレオンとの組手を続ける。

最初はなんだかんだ言っていたがレオンとの訓練の時間が増えるので前衛科に来たのも悪くなかったのかもしれないと思った。

新章の始まりです。

現在ヒイロとレオンは11歳。

マリナは12、ロミアは13です。

レオンの実力はヒイロの4.5割くらいです。

マリナは3.5割、ロミアは2割くらいです。

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