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3話 Sランクの条件

早く次の章までいきたいとこです。

本編のキャラ、出したい。

 

「今日も大量だな……」


今日の成果を空間魔法で別空間から取り出した俺に、この街のギルド支部長である男が呆れたように溜め息をこぼした。

男の名前はジャルダン、Sランクの冒険者であり現役を退いた今はギルドの支部長を勤めている。


「……早く報酬を」


世間話をするつもりはないので、先を促した。

ジャルダンは独身で子がいないせいか、俺達の事を気にかけていて、顔を合わせると話し掛けてくるも多い。

というか、俺達がギルドを訪れると、ジャルダンが態々出てくるのだ。


「ふふっ、せっかちでごめんなさいね? 」


アテネが保護者気取りで、ジャルダンに詫びを入れる。


「何と言うか……お前ら、本当に7歳か? 中身、成熟し過ぎだろう」


俺の無愛想な態度やアテネの年齢とかけ離れた大人びた態度に、ジャルダンは何度目か分からない質問を俺達にした。


「見て分かるでしょう?」


くるりとその場で1回転するアテナ。

仮面で顔の大半は隠れているが、身長は120㎝にも満たず、誰がどう見ても幼女だ。


「まぁな……だが、姿を変える魔導具の可能性も……」


しかしジャルダンは納得出来ないのか、うろんげな視線を俺達に向けるだけたった。

やはりSランク冒険者、勘がいいのか核心をついていた。


「……そんな事しても、大したことメリットはないだろう。それより早く報酬を、用意してくれ」


俺は表情を変える事なく、ジャルダンに言い切った。

ジャルダンの言っている事は、半分当たっている。

俺達のつけている黒い仮面、これは容姿を変える魔導具だ。

俺の場合は出時を誤魔化す為に髪色と瞳の色、アテネは目立たないように肌の色を変えている。

だが、年齢は逆だ。

俺は本来6歳なので、1歳年齢を上げてギルドに登録している。


「まぁ……普通はそうなんだけどな」


ジャルダンは髪をかきあげて唸った後、俺達が出した魔物の鑑定を始めた。


俺も最初は、姿を20代程にしようと考えていた。

子供で後ろ楯のない俺達では、不利になることが多いからだ。

けれど、この世界がゲームの世界だと気付いた時、俺は年齢を1つ上げるだけにする事を決めた。

ゲームがスタートとする時、ヒロインや攻略対象者と年齢を揃える為だ。

悪役の中にはシュトロベルの血縁も多く登場する。

そいつらに近付く為にも、同じ学年に自分を置いておきたい。

ゲームスタートは9年後、その頃には必要な全ての力が揃っている筈だ。


まぁ、それをこいつに説明したところで理解はされないだろうし、説明する必要もないからな。


「げっ、Sランクの魔物まで混じってるじゃねぇか。おいおい、本当に規格外だな……お前達なら、後10年もすればSランクに上がりそうだな。最年少、最短記録を更新するんじゃねぇか?」


ジャルダンは鑑定を終えて、報酬の総額を計算し始めた。


「10年もかけるつもりはない」


10年後では、ゲームが終わってしまっている。

10年後では遅すぎるのだ。


「だが、お前らの年齢では承認されないだろう」


ジャルダンの言っている事は最もだ。

Sランクの冒険者には強い発言力や権利が与えられる分、簡単に承認はされない。


「年齢が足りなくても、なる方法はあるだろう」


危険度の高い依頼を受けてるだけでは、時間がかなりかかってしまう。

けれど、特例でSランクに昇格される方法はある。


「偉業、か? それこそ滅多にないぞ。有権者からの推薦も3人は必要だから、生半可な事では認められないしな」


誰もが認めるだけの偉業があれば、10年待たずともSランクへと昇格出来る。

俺達はAランクとしての実績もあるし、偉業が在れば承認される確率は非常に高い。


「なら、賭けでもしてみる? 私達が1年以内に偉業を成し得たら、その時は貴方の推薦を頂戴?」


「俺の推薦を?……そうだな、本当に成し得たならくれてやるよ」


アテネの言葉に、ジャルダンは頷いた。

本当に成し得るとは思ってはいないのだろう、随分と気軽に了承をした。


「その言葉、忘れるなよ」


俺達はそう言い残すと、報酬を受け取りギルドを後にした。


「ふふっ、これで1票ね」


アテネは頬を綻ばせて、愉しそうに言った。






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