0話 呆気ない終わり
5話までは、本編と内容が同じです。
6話くらいで、物語が分岐します。
この話はダーク4:ファンタジー4:乙女ゲーム1.5:ほのぼの0.5くらいの予定です。
乙女ゲーム要素はほぼほぼないです。
ほのぼのも、あんまり感じられないかもです。
また私自身が反応にびびってる事もあり、此方の感想欄は閉じさせて頂きます。
誤字脱字のご指摘は、お手数ですが本編方へとお願いします。
――俺は何でもできた。
勉強やスポーツはもちろん教養や芸術、何においても何一つ誰にも劣ることは無かった。
――でも、俺は何一つ持っていなかった。
子供の頃は神童と呼ばれたが、後にあまりに常軌を逸した能力で¨化け物¨と呼ばれ遠巻きにされるようになった。
そんな俺を家族は裏で気味悪がりながらも、利用していた。
――俺は奴らを切り捨てた。
後悔はなかった。
その後、何年かは平穏に暮らすことが出来た。
しかし数年後、奴らは俺の前に現れた。
多額の借金を背負い、金を無心しに来た。
「だって、家族でしょ? お母さんを助けてくれるわよね?」
母親だった女が言った。
「……馬鹿だろ」
思わず口からこぼれた。
でも本当に馬鹿だ。
そもそも俺は手切れ金として多額の金を渡していた筈だし、それを使い切るどころか借金まで作るとは、馬鹿とししか言い様がない。
しかも¨家族¨とは笑わせる、散々利用しておいて実に馬鹿馬鹿しい。
俺の一言に、馬鹿にされたと思ったらしい。
家族だった奴らが怒りわめき散らした。
そして、刃物を取りだし俺を刺した。
避けようと思えば避けれたし、返り討ちにも出来ただろう。
しかし、俺はそうしなかった。
刺された所から、血がどんどん溢れていく。
死の間際、奴ら罵詈雑言や、遺産が手に入るなど叫んでいるのが聞こえる。
と言っても一銭たりともいかないようになっているし、この犯行の瞬間は映像として警察にリアルタイムでいくようになっている。
すぐに捕まるだろう。
ざまーみろ。
……でも人生の最後の景色がこれっていうのも、あれだな……。
もし次があるとしたら、俺は――
そうして、俺は死んだ。