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「菜耶子、どうしたの?今日、学校休みでしょ?」
「そうなんだけど。えっと、男物の下着ってない?新しいの。」
「あるけど。何に使うの?」
「菜耶ねぇ、男、連れ込んだの?」
「えっ。連れ込まないよ。」
香子の質問に少し驚きながら、平然とした態度を装って、答えた。
「香子、何いってるの?はい。これ。一応、要らない服も、一枚入ってるから。何に使うか知らないけど。」
「変なことに、使わないでね。」
母は、菜耶子にそう小さな声で言うと、台所の方に行った。
「ちゃんと、逃げなかったのね。はい。これ、着替え。」
「お。ありがとう。ってか、着替え持って来る前に…。」
「ごちゃごちゃ言わず、着替えなさい。寒いでしょ?それに、そんな裸、いつまでも見たくない。それとも、変質者?」
「わかったよ。どうして、後ろ向いてるの?菜耶子。」
菜耶子は、その人の反対方向の壁を、見てた。
「そんな裸、見たくないって言ったでしょ?」
「そっか。この服も着ていいのか。」
「いいわよ。お父さんのお古だけど。」
「着替え終わったぞ。こっち向いたら?」
「いやよ。なんか、あんたの顔が、こっち向いてる気がするし。それより、説明して。なぜ、柏田くんが、ここにいるか。」




