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麻奈美の彼氏
「田辺さんって、良い人そうね。」
夕ご飯を食べてる菜耶子に、母はこう言った。
ちなみに、香子は、もう夕ご飯を済ませて、自分の部屋。父は、まだ帰ってなかった。
「うん。良い人だったよ。」
「お母さん、一瞬、菜耶子の彼氏かと思ったよー。」
「お母さん、何言って…。ごほっ。ごほっ。」
「何、してるの?はい。お茶。」
菜耶子は、慌てて、その湯のみを受け取って、一気に飲んだ。
「そんなこと…あるわけないじゃん。」
「そう…。」
そのとき、玄関のドアから、[ろく]のひっかく音がした。
「まだ、[ろく]、外だったの?」
「そうみたいね。」
「『みたい』って…。」
「[ろく]のこと、すっかり忘れてたのよ。」
菜耶子は、手にもっていたフォークを置いて、椅子から立ち上がった。
「菜耶子、お皿もう、洗って良いわよね?」
「まぁ、いいよ。」
「[ろく]、今日、長い時間、外にいたんだね。」
「にゃ~っ。」
菜耶子は、[ろく]と、自分の部屋でくつろいでいた。




