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「えっと、いい子って聞いてますよ。」
「いい子?」
「はい。結構楽しいしって。えっと、それと、」
「何ですか?」
麻奈美が、田辺さんさんの肘を、つついてる。
「えっと、たまに、素直じゃなくなるって、聞いてます。」
田辺さんは、遠慮がちにそう言った。
「素直じゃなくなる?」
「はい。えっと、後は、麻奈美に聞いてください。」
田辺さんは、そう言って、一歩後ろに下がった。
「麻奈美、どういう事?」
「そのままの意味。」
「『そのままの意味』って…?」
「うん、だって、菜耶子、好きでも好きじゃないって、言い張る時とか、あるじゃない?」
「ないよ。そんなこと。」
「例えば、柏田くんのこと。菜耶子は、実は好きなのに、好きじゃないって言う顔、するー。」
「だって、本当に好きじゃないし、興味とか、関心もないもん。」
「また~。」
「何よ!」
「素直になりなさい。楽になるよ。菜耶子、今顔真っ赤だよ。」
「えっ。嘘!」
菜耶子は、顔に手を当てた。
「嘘だよーん。」
「もー。」
「でも、素直になったら、新たな人生の展開が、待ってるかもよ。」
「もう、田辺さんまで。」




