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「麻奈美、おはよう。」
菜耶子は、鞄を持ったまま、咳に座っている麻奈美に、声をかけた。
「おはよ。菜耶子。ねぇ、聞いたわよ。頭、大丈夫なの?」
「大丈夫。大丈夫。軽い脳震盪たって。また何かあったら、病院行かないと、だめだけど。」
「大丈夫だったらいいんだけどね。」
「あ、麻奈美。」
「何?」
「えっと、田辺さん…」
「田辺さんね。いい感じよ。優しいし。昨日もね、田辺さんの家で、いちゃいちゃよぉ。」
麻奈美は、自慢げに言った。
「よかったね。なんか、朝からごちそうさまって感じ。」
「ふっふっん♪いいでしょ?っと言うわけで、菜耶子は、柏田くんと、付き合いなさい。」
「何が、『っと言うわけで』よ。どうして、私が柏田くんと、付き合わなきゃいかないのよ。」
「うーんっ。もぅっ。菜耶子が、一番よく知ってるじゃない?」
「知らないわよ。もう、席に着くね。」
菜耶子は、自分の席に向かった。
「菜耶子は、本当、素直じゃないんだから。」
「おはよう。高木。大丈夫か?」
「あ、先生。おはようございます。大丈夫です。軽い脳震盪みたいです。」
「そうか。でも、無理すんなよ。部活は、しばらく来ないでくれ。来たら、俺の給料、減っちまう。」
「はーい。」




