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家1
「だだいま。」
「おかえり。菜耶子。お母さん。」
「おかえりー。」
「菜耶子、頭、大丈夫なのか?」
リビングの椅子に座って、休憩してた菜耶子に、父が聞いてきた。
「大丈夫。軽い脳震盪だって。って、お父さん、どうして知ってるの?」
「あ、それ、お母さんが、お父さんに、電話で言ったのよ。」
菜耶子とお父さんに、背を向けてソファーに座っているお母さんが、言った。
「もしかして、それで、お父さん早く帰ってきたの?」
「いや、それはない。その電話を受けた時は、もう、会社を出てたから。」
「ふーん。」
母は、ポリポリと、おかきを食べていた。
「あ、菜耶ねぇ、晩御飯、何食べたの?」
菜耶子が、2階に行こうとした時、まだ一階にいた妹の香子の声がした。
「フランス料理。お母さんと。おいしかったよ。」
「いいなー。」
香子は、足をばたつかせながら、言った。
「香子、また連れていってあげるから。」
「やったー。」
「俺の手料理も、おいしかっただろ?」
「まぁ、おいしかったけど。」
「けど?何?」
「何もなーい。おいしかったよ。」
「何もないって、あるだろ?その言い方は。香子!」
香子は、慌てて2階に上がった。




