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「ありがとう。」
菜耶子は、玄関の扉を開ける前に、柏田くんにお礼の言葉を述べた。
「どういたしまして。って顔、まだ赤いよ。大丈夫?」
柏田くんが、本当心配そうに、菜耶子に、聞いてきた。
「大丈夫。ここ開けたら、家の中だし。」
「そう。じゃあ、さようなら。高木さん。」
「さよう…」
菜耶子が、言葉を言い終わる前に、
「これで、菜耶子の家が、どこがわかったな。これで、菜耶子のこと、一つわかったわけだ。じゃあな、菜耶子。」
柏田くんが、菜耶子の耳元でささやいた。
菜耶子は、目の前にいた柏田くんを、軽く睨んで、玄関の扉をあけた。
「ただいま。お母さん。」
「あ、菜耶子。今日大変だったね。」
「うん。まーね。でも、大丈夫よ。」
「大丈夫でも、一応、病院にいこう。菜耶子。」
「えー。大丈夫なのに。って今から?」
「もちろん。」
「今からって、予約してないのに、大丈夫なの?」
「大丈夫。大丈夫。任せなさい。」
「大丈夫って…。」
「菜耶子、とりあえず、車に乗って。」
「このまま?」
「うん。」
「わかった。」
母と菜耶子は、車で病院に行った。




