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「私、向こうで書き物してるから、何か用事あれば、声かけてね。」
保健室の先生は、菜耶子が寝ているベッドから、少し離れた所で、何かを書き始めた。
「えっと、柏田くんは、部活とかないの?」
菜耶子は、ベッドの横に座ってる柏田くんに、聞いた。
「俺?帰宅部。」
「そう。でも用事とかないの?」
「うん。用事もないよ。」
「えっと、」
「高木さんは、俺をどうしても帰したいのかな?」
「いや~。そう言うわけでもないけど…。」
菜耶子が困っていると、
「俺、もう少しここにいていい?いたいんだけど。」
「別にいいわよ。いるだけなら。」
「ありがとう。菜耶子。」
その名前の部分だけ、菜耶子の耳元で言った。
「もう5時を過ぎました。学校にいる人は、帰る用意をして下さい。」
「高木さん。高木さん。」
「あ、先生。」
いつの間にか、寝ていた菜耶子は、先生の少し大きな声で、起きた。
「高木さん、もう帰宅時間なんだけど…。」
「あ、そうですか。じゃ。」
菜耶子は、そう言ってベッドから立ち上がった。
「高木さん、柏田くんが一緒に帰ってくれるから。」
「え!?」




