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「麻奈美、今日、私、部活にちょっと顔出すから。一緒に帰れない。」
授業も全部終わって、菜耶子が帰る用意をしてたとき、麻奈美が、席に近寄って来たので、菜耶子は、麻奈美にこう言った。
「えー。あの陸上部に、顔出すの?菜耶子って幽霊部員でしょ?」
「うん。まぁね。」
「だったら、顔、出さなくて良くない?」
「ううん。幽霊部員でも、時々、顔出さないと。陸上部の顧問、私らの担任だし。」
「えー。せっかく紹介したい人、いたのに。」
「ごめんね。って、紹介したい人って誰?」
「えっとね。田辺さん。前、行ったケーキ屋さんで、バイトしてる人。今、付き合ってるの。柏田くんも良いけど。柏田くんは、菜耶子に、とっておくよ。」
「とっておくって。柏田くんに、興味ないって!」
「またまた~。菜耶子ちゃんは、素直じゃないねー。」
麻奈美は、菜耶子のほっぺたを、指でつっついた。
「それは、いいとして、麻奈美、おめでとう。」
‘私の目に狂いはなかったわ’
「ありがとー。で、今日、菜耶子をケーキ屋に連れていって、田辺さんを、紹介したかったの。」
「ごめんね。麻奈美。実は、今日来ないと、強制的に、毎日部活、来さすって。岩本先生が。だから、次回紹介して。」
「先生、ひどっ。」
私たちは、分かれた。




