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転校生
「おはよー。菜耶子。」
「おはよう。麻奈美」
学校に着いた菜耶子に、友達の麻奈美が声をかけてきた。
「菜耶子。聞いて。聞いて。今日転校…。あ、先生がきた。」
麻奈美はそう言って、あわてて席に着いた。
「みんな、先生の方に注目。転校生が来たぞ。」
教壇に立っている先生の横にいた男の子が、
「柏田尚彦と言います。宜しくお願いします。」
と、小声で言った。
先生は黒板にその子の名前を書き出した。
<柏田尚彦>
「みんな、柏田くんをよろしく。柏田くんは…、後ろの空いてる席、小松さんの横にでも座って。」
と、言った。
ちなみに、小松とは麻奈美の名字だ。
「すぐ1限目の先生がくるから、おとなしく座ってて。」
先生は、みんなに言って、職員室に戻っていった。
1限目の授業も終わり、5分の休み時間。
「柏田くんは、どこの高校から転校してきたの?」
「柏田くんの趣味は何なの?」
柏田くんの周りにはいっぱいの女の子が集まっていた。
そして、柏田くんは質問責めに合っていた。
その質問してる子の中に、麻奈美の姿もあった。