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[ろく]
「香子、やっぱり熱だった?」
「うん。」
「…あ、さっき[ろく]が家に入れてって、この小さい窓を引っかいてたよ。」
母が、テレビを見ながら、そう言った。
菜耶子が、母が言ってた、小さい窓を開けると、[ろく]の姿が、見えた。
「[ろく]、おかえり。家に入るには、まずね、濡れティッシュで、体をふかないと。ふくよー。」
その窓から素直に、入ってきた[ろく]の体を、ふいた。
ふく間、[ろく]は大人しくしていた。
「[ろく]、昨日も今日も、どこ行ってたの?心配したんだから。」
「にゃーっ。」
[ろく]は、菜耶子の顔を、ちょっと舐めた。
「[ろく]、きっと菜耶子に、ごめんなさいって言ってるよ。やっぱり、気にいられてるね。菜耶子。」
母は、[ろく]をなでながら、菜耶子にそういった。
「にゃっ」
と、言って、[ろく]は、菜耶子と母の手から離れ、キャットフードを入れてるお皿のところへ、行った。
「朝は食べて出ていくのだけど、お昼はどうしてるのかしらね。[ろく]。」
「誰かにもらってるのかな?うーん。でも、変なものは、食べないでね。[ろく]。」
[ろく]は、目をキラキラ(そう菜耶子には見えた。)させ、菜耶子の方を見た。




