2 天使のような悪魔(前編)
「勇太、部活を作るわよ!!」
あの衝撃的な出会いから数日後の放課後、日誌を提出して教室に戻ってきた勇太に突然栞が言った。
「あのなぁ、立候補したくせにろくに仕事もしないで何言ってんだよ・・・」
「日誌提出なんておもしろくないわ!!」
「理由はやっぱりそれか・・・。」
数日間一緒に仕事をしてきて栞の性格がわかってきた勇太は、溜息をつきながら帰り支度を始めた。
「それよりも、部活よ勇太!ぶ・か・つ!!」
「やるわけないだろ、俺は特に入りたい部活もないし強制でもないんだし・・・」
そう言って帰ろうとした勇太に栞は指をさして言った。
「私が強制するわ!勇太!私が作る部活に入りなさい!!!」
勇太は、一瞬たじろいだが今回はいいくるめられる気はなかった。
「ふははは、残念だったな栞!!部活を新たに作るには、5人の部員と顧問が必要なんだよ!生徒手帳にも書いてある!」
勇太はポケットから生徒手帳を出し、校則の書かれているページを栞に見せた。しかし、栞は笑いながら言った。
「残念ね、勇太!そんなこと私が知らないとでも? そんなこともあろうかと、もう手はうってあるのよ!!! 出てきなさい、楓!!」
勇太が、驚いていると1人の女子生徒が教室の後ろのドアを開けて入ってきた。女子生徒は、ニコニコしながら栞の正面に立った。
そして、いきなり栞の顔を掴んだ。
「しーちゃん、すぐ呼ぶっていったよね~?10分も隣の教室で待ってたんだよ~。1人は寂しかったな~。」
「ごふぇん・なさい。ふゅうひゃがはやきゅみょじょっちぇきょなかったきゃら。」
栞の言い訳は何を言ってるかわかるが、日本語ではないだろう。そんなことを勇太が考えていると、女子生徒は手を離した。
「まぁ、いいわ。とりあえず、しーちゃん紹介よろしく。」
女子生徒はそう言いながら、勇太の方を見た。
「げほっ。あ、うん。こいつの名前は田中勇太、私のクラスメイトよ! そして勇太、この子は2組の永瀬楓。楓と私は幼馴染でね、楓は昔から性格が・・・・」
「しーちゃん・・・・」
ニコニコしたまま楓はつぶやいた。
「なんでもないわ。」
(すげぇ、あの栞がこうもおとなしく・・・なんだこの子は)
そんなことを考えていると、楓が手を差し出してきた
「勇太君ね、永瀬楓です。よろしく。」
「あぁ、よろしく・・・」
栞は、怯えてるけど優しそうな人だな。それに、あの胸。
制服の上からでもわかるくらいの大きな胸のふくらみに勇太は目を奪われた。
すると、楓が
「勇太君、大きな胸が好きなのかしら?」
「いえ、あのその・・・」
勇太は顔を赤くして後ずさった。
「えーっと、その・・・そろそろいいかしら?」
顔を赤くしている勇太と、それを見て笑っている楓に栞は聞いた。
「えぇ、大丈夫よしーちゃん。」
「あぁあ、俺も大丈夫だ栞。」
栞は一度目を閉じ、再び開いて言った
「楓の力をかりて、私の部活を作るわよ!!!」
この言葉の意味を勇太はこのときは、まだ知る由もなかった。
久々の2話目です。2話目にして前後編ですww
そして新キャラ登場!!!
楓は、最初は先輩として出す予定でした。、同学年ということで・・・
理由についてはまた今度w 意外と気に入ってますよ楓。詳しいプロフィールは後編で、ネタばれにもなりますからねぇw ちなみに、栞の胸は貧乳ですw