第五話 天敵少女と二人の帰り道
葵にとって怒涛の高校の初日は終わったけど
エロ野球少年と天敵少女の二人の時間はこれからやで~
いいね~!若いって!あれ?神様に年齢はあるんかな?
ミーティングが終わり、ムツミちゃんも帰った校長室では川東教頭が
「ねえ、怜ちゃん」
「前から聞こうと思っていたんだけど、他校の採用試験を全部落ちた
倫子先生をなぜ、採用して女子野球部の顧問にしたの?
それに、あの服装は学校でどうなの?って思うの」【怜ちゃんもだけど】
「あ~、津旅監督の対策」
「え?どういうこと?」
「以前ね、坂ちゃんと飲んだときに聞いたのよ」
村上校長と広松西の坂東監督は大学の同級生なのだ
「坂ちゃんは津旅監督に勝ち越しているから、秘策でもあるの?
って聞いたらね。『野球では何の策もないよ。』って言うの
ただ、試合の時はいつも露出度の高い服装の姪っ子さんに頼んで
津旅監督から見える位置に座ってもらっただけなんだって」
「・・・」
「それとね、去年 津旅監督と中学生の試合を一緒に視察へ行ったとき、
相変わらずで『女子野球部の監督をエロじじいに任せて大丈夫?』
って言われたの」
野球そっちのけでバックネット裏のお姉さんを見てたもんね~
「だから、その弱点を克服してもらうために、
倫子先生を送り込んだんだけどね~
まあ、葵ちゃんも同じ弱点だし。ちょうどよかった。って感じ」
【火に油では?おあとがよろしいようで。】
ミーティングが終わった1年C組の教室では涼音ちゃんが葵に声を掛けるのだ
「葵。一緒に帰ろうぜ!」
「やだよ!スズは徒歩通だろ、オレはチャリだし
それに、他の女子に勘違いされたくねーし」
「葵と私じゃ、誰も勘違いしないよ
佐々木さんは先輩に捕まってるし、どーせ、一緒に帰る相手もいないだろ
それとも、私を意識してるのかな~葵ちゃん?」
「何、言ってんだスズ?
その丸メガネをやめて、目をぱっちりさせて、二重にして
もう少し鼻を高くして、おとめ系になって、髪はボブにして、
お〇がボンとなって、キュっとなって、ボンになって、
男子に優しくなって、お淑やかになって、淑女になったら、
意識してやるよ!」
「それと ←っと言い掛けた瞬間に
無言で脳天チョップ!炸裂!!
「・・・(涙)」
「ねえ、美玖、結衣も一緒に帰ろうよ」
「ごめん。私たち本屋に寄って帰るから先に二人で先に帰って」
「仕方がないな~、この涼音様が葵ちゃんと一緒に帰ってあげるか~
着替えて来るから、ちょっと待ってな」
【帰っちまおかな?でも、明日〇(ピー)される・・・】〇=kill
速攻で着替える涼音であった。考えていることはバレてるで~
「お待たせ!さあ、帰るで」
なんだかんだ言いながら、自転車を押しながら素直に涼音ちゃんと帰る葵なのだ
陰から見守る4つの瞳 ニヤ ニヤ
「なあ、スズ。言おうと思ってたんだけど」
「おー愛の告白かぁ?」
「はぁ?世界で女子がスズだけになっても、それは無いは」
「ほー喧嘩売ってんのか?」
無視しながら、淡々と
「なんで、スズがスカートの制服着てるんだ?」
「この偏見、セクハラ野郎!」
「だって、美玖と結衣はパンツスタイルじゃん」
「私はスカート派なんだよ!自由だろ!
知ってるか?学院の夏服は超~可愛いんだぜ
夏服に合わせるために、3年ぶりに髪も伸ばしてるんだから」
【定期的に会っていたけど、髪伸ばしてたんだ?】←そーゆーところだぞ!
「鈴丘の夏が来たって感じさせるあの清楚な純白セーラーだろ!
まさか、あれをスズが着るのかよ!?
似合わね・・・プップップップッ」
「おまえは一度、〇に(ピー)たいようやの~」〇=die(動詞)
即座に白旗をあげる葵。涼音ちゃん対策で白旗を常備している葵やで~
ピン・ポン・パン・ポン~
~皆様 お詫びです~
自転車の二人乗りは禁止!
重々、承知しておりますが、演出上でどうしても欲しいシーンなので
お許し下さい ←誰のセリフや?
涼音ちゃんが勇気を出して葵に甘えるで~
「おい、疲れた。後ろに乗せろ」
「二人乗りは禁止です」
「河川敷の誰も居ない空き地のエリアだったらいいじゃねーか」ダメです
「やだ。重くてパンクする」
「嘘です!姫!お乗りください」
自転車を涼音ちゃんに預けて、後ろに乗ろうとする葵
「おまえな~(怒) 逆だろ!」
「だって、スズの方が力強いじゃん」
「な、訳ねーだろ!(怒)」
素直に乗りなおした葵なのだ
【これが、青春の女子と二人乗りか~】
【いつか彼女とやってみたいな♡】←二人乗りは禁止やで~
「おい葵。ムラムラしてるか?」
「してねーよ」
「バックハグでむぎゅってしてやろうか?」
「いいよ!危ないからやめろ!」
構わず、むぎゅー
「どーだ~♡ 女の子にむぎゅってされる感想は?ほれほれ?」
【興奮するなオレ!反応するな!反応するな!反応するな!オレー
あ~柔らかくて、いい匂いがする♡
いかん!このままでは反応してしまう!
そうなれば、スズ大魔王の思うつぼ
無になろう】
「そろそろ、出ちゃうんじゃない♡」
「あれ~鼻血出てないじゃん!」←そっちかーい!
「それはそれで失礼だぞ!葵!」
【スズで発情するとは、オレもまだまだ葵。いや青い】
「あー助かった~オレの尊厳が保てた」
指導!もし、鼻血以外の反応を想像したあなたは、反省するのだ
↑お前もな!
♡エッチ♡
あなたのことです♪
「なあ、スズ。怜ちゃんに比べると、当たってる”むにゃ感”が薄いんだけど」
懲りないやっちゃな~
あれ?怜ちゃんとバックハグ経験済???
真っ赤になった涼音ちゃん
「おまえな~!地獄に落ちろー!」
ぱこーん! ガッチャーン
「いってぇーーー参りました(涙)冷却シートください(涙)」
気を取り直して
「こっからは押していくぜ」
「ねえ葵。ツムとはその後、どーなってんの?」
「ほぼ毎日、ツムちゃんと会ってんだから聞いてんだろ」
「まあね。でも、葵はどー思ってるのかな?って思って」
【勇気を出して聞いちゃった】
「そりゃ~元に戻りたいけど、無理でしょ
学校は違うし、ラインはブロックされてるし・・・」
「そ~なのかね~?」
「もーいいから、ツムちゃんとのことは」
突然
「スズ」
「え?」
「今日はありがとな」
「あ~わたしは知ってること、思ったことを言っただけだよ」
「でも、サンキューな」
顔を赤らめる涼音ちゃんなのだ
「じゃあ葵。感謝してくれるなら、
今度、駅前のカフェで『きゅんきゅんパフェ』おごってよ」
「金渡すから一人で行ってくれ」
「おめーやっぱり一度〇(ピー)さないと分からんよーやな」〇〇=kill
「ごめんなさい!行きます。お供します!」
「あほ」
「あとさ、津旅監督って引退後は監督依頼をすべて断っていたんだろ」
「なんで、学院は受けてくれたんだろ?」
「あ~怜ちゃんが依頼訪問した時、倫子先生みたいな服装で行ったらしいよ」
【理解納得。怜ちゃんも前から結構、攻めてたもんな】
遠くから二人の姿を寂しげに見ている少女
「相変わらず不器用と鈍感なんだろうな~私もだけど・・・」
☆彡 その日の夜 ☆彡
涼音ちゃんはベッドで枕に顔をうずめながら足をバタバタ
「きゃー今日のわたし、いくらなんでもやりすぎじゃない!
むぎゅって・・・
もう、やだぁー!恥ずかしい!」
正気に戻って起き上がり「ちょっと待て。葵のやつ!」
その頃、葵の部屋では
「やっと声に出来るぅ~♡
あ~気持ちよかったー♡
柔らかい♡
いい匂い♡
スズとはいえ、やっぱり女の子のむぎゅ最高~♡またやってぇ~♡
それに男がオレ一人で女子600人!それに、倫子先生、最高ぉ~!
東に落ちてよかったぁ~学院最高♡」
すると不幸の着信音が鳴るのだ
「おい、葵!今頃、私のむぎゅの感触の余韻にしたってんだろ?」
「ごめんなさい」【バレてる】
「きゅんきゅんパフェ。プラス1な」
「はい」
チーン
【せっかくの余韻が・・・飛んでった(泣)】
「葵!近所迷惑だから、静かにしなさい!」←トドメの一撃が入った~
「はい(泣)」【心の休みどころがない】
当作品はフィクションです