雨季の修行
ジュア・アイランドは雨季に入った。
この時期にしか出来ない狩りや修行がある。
水性の動物や魔物も豊富なのが、ジュア・アイランドの特徴だ。
増水して流れの速い川なんかは戦士の修行にぴったりだ。
「ほれほれ!流れに逆らうんだ!」
「負けねぇ!」
「うん?なんか来たな。」
濁った濁流の中を泳ぎ続ける戦士達は、川縁に魚や蟹を放り投げる。
俺たちはその魚を籠に入れるのが仕事だ。
「うぉ〜デッカい」
「イテッ!なんだピラニアか。こんにゃろ!」
「こっちはなんだろ?カニ?」
今日のご飯は順調に集まってるな〜。
「みんな前飯食ったのいつだっけ?」
「ん〜と、、、3日前?」
「1週間前かな?」
「ジャングル・ローチって飯に入る?」
リザードマンは2週間くらいご飯食べなくても平気だ。
戦士達は身体が大きいから沢山食べるけど、その分長く食べなくても良い。
「そろそろ籠もいっぱいだな。修行は終わりだ!上がるぞ!」
ザパァン!と勢い良く川から上がった戦士達は程よい疲労に充足感があるみたいだ。
「デカいウナギだな」
「小さいピラニアが数十匹か。逆に器用だな!」
「カニが食いたいからカニばっかり取っちまった」
「アオ坊の籠はいっぱいだな」
戦士の1人が嬉しそうに声をかけてくる。
「まあね。ツルツルして滑るから、こぼさないように掴むのは大変だったよ」
結構速さと正確さには自信があるんだよね。
海老も逃さなかったし。
「俺いっぱい川に逃げられちゃったよ〜!」
「あたしも〜」
「がははは!!まぁ良いさ!今は雨季だし、また獲れば良いだけだ!俺たちもこの時期の修行は負けたくない気持ちが強いからな!」
さっきも戦果を比べ合ってたもんね。
帰り際にも面白い物を見せてくれた。
「ひ、光ってる」「なんだこれ〜?」
手のひらには緑色に光る石があった。
「こりゃあな魔蓄石といってな、魔力を蓄えて光るんだ!面白いだろ?」
へー、、、魔力って何だっけ?
「魔力って、ブワブワ老が良く使ってる魔法のアレ?」
「そうだ!賢いなぁ」
女の子が戦士に頭を撫でられていた。
「これはシャーマンには役に立つが、俺たち戦士にはあまり役に立たん。魔法を使わんし、使えない者の方が多いからな。後、水の中で闘う妨げになる。水性の魔物はこの魔蓄石を敏感に察知する。逆に狙われて危険なんだ。」
なるほど、それは良い事を聞いた。
村に戻ると、母が魚介のスープを作ってくれた。
「あ、おいしい」
「海老が入ってるからね。戦士達に感謝しな。」
「はーい」
俺は食後にオオジュアバトルカブトの世話をした。
名前はキキリ
籠から脱走は何度かしたが俺の鼻は誤魔化せない。
「キキリは宝石とか興味あるかな?・・・魔蓄石・・・俺も欲しいな〜」
、、、明日は宝探しでもしてみよう。




