島のライバル
戦士長ハラカ帰還から数ヶ月、俺は熱帯雨林を駆け回っていた。
俺は殆どのリザードマンが持つ緑色や茶色などと違い派手な蒼色だ。
たまに他の村に遊びに行くと、赤い鱗の『アカ坊』と喧嘩になる。
どっちの色が強そうかって事と、あとやっぱりどっちが強いかだ。
今日は先にジャングル・ローチをたくさん捕まえられるかでアカ坊と勝負している。
「「どーっちだ!!??」」
籠の中身を地面にぶち撒ける両者。
他の子もそれぞれ勝負していたけど、俺たちの勝敗やいかに。
「ひとつ、ふたつ、みっつ、、、いつつ?」
「違う、むっつだ」「ちげーよ、よっつだろ!」
「あーもう!最初から数えろよ!しかもそれローチじゃないし」
「ほんとだ!デカメムシだ!クサッ!?」
「「「くっせーーー!!??」」」
ワイワイやりながら、良く分からない会話を繰り広げ、やっと数え終わる俺たち。
「俺の勝ちーーっ!」
「ぬぐぁぁ!!負けたぁァァァッッ!」
今日は俺の勝ちだ、ギリギリで。
集めたローチは家でカリカリに焼いてオヤツにする。
しかもこの競争で得た物はローチ意外にも
ある。
「俺の大戦果だ!」
アカ坊が捕まえたのはジュア島でカッコいい昆虫上位、オオジュアノコギリクワガタだ。
強靭な硬い枝も折るくらいの力がある。
「俺のはこれ!」
同じく、カッコいい昆虫上位、オオジュアバトルカブト。
頑丈なツノで他の昆虫を持ち上げて投げてしまう。
「「進め!!」」
俺達は互いにクワガタとカブトを色んな場所を進めさせたり、登らせたりしている。
「すごいじゃん2人とも!」
「あーぁ、俺も1匹欲しいな〜」
「後で見つけようぜ〜」
村の子達も、昆虫取りは明日にしようと決め、帰り始めた。
「勝負させるにはまだしゅぎょうが必要だと思う。」
「だな!戦士達はしゅぎょうを経てから試練に挑む!この島のおきてだからな!」
村に帰って俺達は昆虫を育てる事にした。