息子との生活
Mのもとから龍昇が戻ってきた
私はドキドキだった…
どんな顔をして、どんな態度をして接すればいいのか
母親の私を、覚えているんだろうか
捨てられたと思っているはず…なんて謝ればいんだろう…
私には頼れる親戚みたいな兄貴がいる
小さい時から一緒だった人だ
兄貴に相談した。
兄貴は言ってくれた…
お前が決めたんだから2度と同じ事はするな
中2の男が母親と一緒に暮らす判断するって普通じゃ考えられない事だから大切に育てろ困った時には必ず俺を頼れ
涙が出た
ありがとう、ごめん。
助かります…
ある程度の龍昇の様子は聞いていた…いざ会ってみると想像を超える人間になっていた
鋭い目、他人などよせつけない雰囲気、笑顔などない…
ごめんね…寂しかったんだね。
心の中で私は龍昇に謝る
龍昇は手を離せば風船のように飛んでいきそうだった…自由に生きている普通じゃない
とんでもなくグレていたのだ
一緒に迎えに行った兄貴にも言われる…
お前じゃ手に負えないと思う…俺が面倒みてやる。
少しずつ、少しずつ龍昇と会話が始まる
私も驚いたが兄貴は私より驚いたようだった
龍昇は私の事を忘れていなかった…
離れ離れになった日を龍昇は、鮮明に覚えていた
まるで龍昇の中で時間が止まっているようだった
龍昇は言う…近くにこれて嬉しいと
子供は親が思っている以上に成長していると聞くが納得できた…
まるで昔の私をみているようだった
兄貴の事も鮮明に覚えていた
ごめんね、ごめん。
兄貴も口には出さないが龍昇に申し訳ない気持ちが溢れる出ていた
思いっきり甘えさせてあげよう、好きにさせてあげよう
私と兄貴の意見が一致した
兄貴の養子になり龍昇の生活が始まっていく