可愛い朝のとある一日
よろしくお願いします。
健気なあの子とともに寝て
無造作に伸ばした腕に乗る重み
確かな心地よさと温もりがある
穏やかな寝息が徐々に覚醒に近づけば
少し掠れた色気と可愛さが混じる
この瞬間を味わうことができる黒猫は
いつもすまし顔で口角を上げる
目を覚ましてすることは
目に留まる指先を使う
長く節くれ立っている
あの子の1.3倍も太い指
絡む白魚とダンスをする
唐突に止まる視線の先には
指に嵌まる銀の輪を見ていた
あの子の頬は熟れた桃のよう
主から漂う甘い薫りと
柔らかく少し低めの体温で
俺の黒髪をセットする
とある忙殺された日の夜明けのことだった
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