60 異世界人の甘え
楽しかった打ち上げも終わり、マルコたちと別れた後、俺たちは≪翠楽停≫への帰路についた。
「「「…………」」」
「……えーと、後方に三人だね」
名波の【感知】で探るまでもなく、先程の日本人三人組が後を付けているのは全員が分かっていた。素人でも、もう少しまともな尾行をするんじゃなかろうか?
流石に宿泊先を特定されるのは嫌なので、俺は立ち止まると後ろを振り返った。
「何時まで後を付けてくるつもりだ? それ以上ストーカー行為をするのなら領兵に突き出すぞ?」
「な!? ち、違う!」
「俺たちはストーカーじゃねえ!」
「そこの二人に話があるんだ!」
慌てて三人組は弁明する。
よくよく観察してみると、男たちは20代かそこらといったところだろうか。俺よりも佐瀬たちの年齢に近いかもしれない。
全員が黒髪で、さっきの会話から察するに、恐らく全員が日本人なのだろう。
「話ならここで聞く。用件はなんだ?」
「いや、ちょっとここでは……」
「できれば日本人……彼女たちだけで話し合いたいんだが……」
やはり白髪の俺は日本人だと思われていないようだ。シグネも金髪碧眼なので、俺たち二人はこの世界の住人だと勘違いしているのかもしれない。
「はぁ……アンタたち、いい加減にしなさいよ?」
佐瀬が声のトーンを落として凄みにかかると男たちは明らかに怯えていた。
「は、話だけでも聞いてくれ!」
「同じ日本人だろう!? なぁ、いいだろう?」
さっきからこれだ。
確かに同郷のよしみという言葉はあるが限度というものがある。別に話を聞くだけなら構わないのだが、問題は彼らの態度だ。
佐瀬は深い溜息をつくと男たちへ語り掛けた。
「あのさぁ、アンタたち男三人組がこんな夜に、女二人連れ出して話し合いがしたい? 怪しさ満点だってこと自覚してる?」
「「「うっ!?」」」
治安のマシな日本だって夜遅く知らない男たちから声を掛けられれば警戒もするだろう。そしてこの世界は日本以上に治安が悪く、当然無法者も多い。実際に襲撃未遂事件もあったしな。
そんな中でパーティメンバーを名も知らぬ男たちの言う通りに差し出す程、俺は間抜けではない。
しかし、このままでは埒が明かないので、俺は少しだけ妥協する事にした。
「そこに人気のない場所があるから、そっちで話そう。それとこんな形だが、一応俺も日本人だ」
「え?」
「お前も?」
男たちの驚きの声には取り合わず、俺は話を進める。
「用件は俺たち全員で聞く。異論は受け付けない。これがラストチャンスだが、どうする?」
見た目だけは若造な俺の態度に男たちは面白くなさそうな顔をしていたが、ここで拗れるようなら話し合いは終了でも、別にこっちは一向に構わない。
男たちも俺の心情を察したのか渋々納得をし、全員で人気が無い場所へと移る。
さっきは治安が云々言ったが、三人組のステータスはシグネが鑑定済みで、既に念話によって共有されている。三人とも闘力・魔力は30前後、よくても50辺りなので、万が一でも後れを取る心配は無いだろう。
「それで、話って何だ?」
「俺たち同じ日本人同士で助け合わないか?」
「……はあ?」
開口一番出た言葉に俺は変な声を出した。
「……具体的には?」
「え? 例えば行動を共にして……金稼ぎをしたり?」
「生活を整えるのも急務だよな?」
「ああ、差し当たっては住まいが欲しい!」
なんで所々疑問形何だよ! まさか思いつきの行動じゃないよな?
少し頭が痛くなってきたが、もう少し話を聞いてみる。
「お金を稼ぐってどうやって?」
「そりゃあ冒険者だよ!」
「ダンジョンって儲かるんだろう?」
「一応聞いておくけど、君らも冒険者だよな?」
ギルド内の酒場に顔を出したのだ。恐らくそうだろうとは思うが聞いてみた。
「ああ、そうだ」
「ランクは?」
「……F級だ」
F級という事は、見習いのG級からは昇格しているということか。
ただし、GからFに上がるのは簡単で、サボりさえしなければ複数回のお使いや慈善活動なんかで直ぐに昇級できる。
E級もそこまで難しくない採集依頼などを積み重ねれば、魔物を討伐せずとも昇級できるので、実質E級までは冒険者の間では“冒険者見習い”扱いとされている。
D級に昇格してから一端の“冒険者”を名乗れるのだ。
俺はもう少し聞いてみる事にした。
「君らは冒険者活動をしてどれくらい——」
「——なあ、さっきからその話、意味あるのか?」
「そうだぜ! 過去より未来の話をしようぜ!」
「子供の話より、お姉さんたちから話を聞きたいなぁ」
話を途中で遮られ、男たちは佐瀬たちへと話しかける。ため息をついた俺は佐瀬の方へ“どうする? ”と視線を投げかけた。
「そこの彼が私たちのリーダーよ。私たちは彼の決定に従うわ」
あ、こいつ。面倒事を全て俺に押し付けたな!?
しかも何が“彼の決定に従う”だ!
さっきから「無理!」「絶対嫌!」「断って!」と三人から念話が飛んできている。正直会話をしながら念話も来られると混乱するので少しだけ黙っていて欲しい。
「こ、こんなガキがリーダーぁ!?」
「ああ、彼こう見えても私たちより年上よ?」
「「「……マジ!?」」」
少し話が脱線したが、俺は再び口を開いた。
「結論から言って、君たちとは組まないよ」
「なんでだよ!?」
「自分だけハーレムパーティ作りやがって!」
「同じ日本人同士、助け合おうぜ!」
いい加減うざくなってきたので、少し突き放すことにした。
「助け合い? さっきからその言葉を口にしているが、俺たちが何時、お前たちに助けを求めた?」
「あ? いや、それは俺たちが……」
「お前たちが、ただ助けて欲しいってだけだよな? それは“助け合い”とは言わねえんだよ!」
俺の台詞にシグネが念話越しに『良かった。【自動翻訳】がバグってるのかと思ってた』なんて毒を吐いていた。
うちの可愛い妹の為にも日本語は正確に使って欲しい。
「ハッキリ言って、君らと組むメリットが全くない! 寄生するつもりなら他を当たれ! 俺たちは忙しいんだ!」
男たちは少しの間項垂れていたが、その内の一人が口を開いた。
「わ、悪かったよ。でも、助けて欲しいのはマジなんだ」
「……何に困っているんだ?」
俺も少しクールダウンして改めて聞いてみる。こちらとしても同じ異世界人である以上、ここで彼らに自暴自棄になって暴走して欲しくなどないのだ。
「い、色々だ! 食生活や住まい……それに娯楽も少ない!」
それから三人は代わる代わる、この世界への不満をぶちまけた。
やれ、この異世界は食事が不味いだの、トイレや風呂が臭いし汚いだの、娯楽施設は碌なモノが無く、どこも割高だの……娼館の話に至った時は女性陣の視線が一気に冷たくなった。
ちょっと! シグネちゃんの情操教育に悪いので、気持ちは分かるけどセンシティブな発言は止めて貰えます?
ある程度彼らの愚痴を聞いてあげたら、大体の問題点は割り出せた。
「まず、お前たちは“日本人だ ”とか“この異世界が”と言う類の発言は控えろ! もう、ここがお前らの……俺たちの住む世界なんだ! むしろ地球や日本の方が異世界なんだよ!」
「「「——っ!?」」」
元の暮らしが良かった人にとってこの世界への転移は災難だったろうが、これは女神でもどうすることもできなかった現実なのだ。俺たち人類は粛々とそれを受け入れる他ないのだ。
それを何時までもお客様感覚で生活しているから甘えが生じるのだ。どうも彼らの転移した先は温かったのか、まだこの世界の厳しい洗礼を受けていないように見受ける。
その辺りも詳しく尋ねてみると彼らは以前、SNSで知り合った者同士で集まったコミュニティに参加していたようだ。その中でも彼らは転移直前に飛び入り参加したメンバーだったらしく、それが理由で主要メンバーたちからも嫌がらせをされ、それに我慢できず、半月ほど前に三人で拠点を抜け出したそうだ。
外での生活の方がもっと楽しいに決まっていると考えての行動らしい。
初めは良かったのだが、冒険者になり魔物と戦うようになってから躓いてしまったようだ。どうも彼らが居たコミュニティ周辺には魔物が現れなかったそうだ。
(なんだ、それ!? 羨ましいな!)
こちとらいきなり魔物だらけの森付近スタートだし、佐瀬たちはもっとハードな場所に転移されていた。
まずそこからして違ったのだろう。
『今の話、どうだ?』
『“嫌がらせ”云々は嘘ね。それ以外は本当のようだけど』
佐瀬には嘘を見破れるマジックアイテム≪審議の指輪≫がある。どうやらポケットに収納されている指輪が振動したようだ。
しかし、今の嘘は看過できない情報だな。
「……念の為に確認だけど、元いたコミュニティで犯罪行為はしていないよな?」
「あ、当たり前だ!」
「俺たちは何にも悪い事してねえよ!」
「あいつらが俺たちをこき使って虐めてたんだ!」
『佐瀬?』
『んー、犯罪していないってのは本当みたい。でもなんか悪い事はしてるって自覚はあるのかな? “虐められていた”ってのも嘘ね』
どうやら犯罪行為に手を染めている訳ではないらしい。
そこは安心したが、所々証言に嘘が混じっている事から察するに、大方役割分担の仕事をサボって風当たりが強くなって逃げだした、ってところだろうな。
……うん、これ以上関わり合いたくない連中だな。
俺は適当にアドバイスを送って彼らと距離を置くことにした。
「お前たちの不満は分かった。それらの大半は金の力でどうとでもなる。だから働け!」
「いや、働けって……」
「俺たちだけじゃ、全然稼げなくて……」
「なあ、手伝ってくれよ?」
「甘ったれるな!」
「「「——っ!?」」」
俺の怒声に三人はビクリと震えた。
「そりゃあ今のお前たちじゃあ直ぐには稼げないだろう。お前たち、冒険者初めてどのくらいだ?」
「え? いや、つい先週なったばかりだけど……」
ようやくさっきの話まで戻って来る事ができた。
「俺は冒険者になってもう半年以上になるし、彼女たちも転移してから直ぐに魔物と戦い始めている。つい最近戦い始めたばかりのお前らと開きがあるのは当然だ!」
「た、確かに……」
「そりゃあ、そうだけど……」
「幸い、この街は大きくて治安もマシな方だ。初心者用のダンジョンもあるし、これだけ好条件が揃っているのに、それでも難しいというのなら冒険者には向かないよ」
「ぐっ!?」
「そ、そんな事は……」
「この子を見ろ! まだ中学生くらいの年齢なのに、俺たちと出会う前からDランクの魔物を倒せる程の実力者だ! お前たち大の男が三人揃っても、まだ助けが必要だと喚く気か?」
「「「————っ!?」」」
俺の檄に男たちは衝撃を受けていた。
シグネは可愛らしくダブルバイセップス・フロントのポーズを取る。これが彼女の考えた“じつりょくしゃのポーズ”らしい。
「……すんません! 俺たちが間違ってました!」
「ああ、あんな小さな子供にも出来たんだ!」
「俺だって……やるぞぉ!」
どうやら三人ともやる気が出たようだ。これで俺たちのパーティに入れてくれと言われる心配も解消されただろう。
「今日は本当すみませんでした!」
「また相談に乗ってください!」
「それじゃあ師匠! 俺たちはこれで!」
「ああ、またな…………ん、師匠?」
何やら不吉な言葉を残して男たちは去っていった。
俺と名波は唖然とし、シグネはポージングに夢中で、佐瀬はケラケラ笑っていた。
それから数日間は休養と、街周辺の簡単な採取依頼を熟していった。
本当はもっとお金を稼ぐ為にダンジョンへと向かいたかったのだが、ある事情があったので出発を延期していた。というのも————
「————はい、注文の品よ」
「やったー! これで私も【ウォーター】が使えるよ!」
シグネが製作を頼んでいた≪流水の腕輪≫がようやく完成したので、≪精霊の矛≫へと受け取りにいった。これで全員が水魔法の最下級魔法を扱えることができる。
支払いは既に全額前金でこれ以上の出費は無かったが、他にも色々な物を購入していたら手元が心許なくなってきた。
「そろそろダンジョン探索に行くとしよう!」
目的地はやはりオルクルダンジョンだ。あそこは人も少なく、魔物も手応えがあって、何より稼げるダンジョンだ。
俺たちはギルドの受付にしばらく街から離れる事を告げると、偶々出くわした冒険者たちから声を掛けられた。
「あれ? 師匠たちもこれから依頼ですか?」
俺を師匠呼びした男は、例の日本人三人組であった。リーダー格の男はタカヒロと言うらしい。苗字は忘れた。
「俺らはこれからダンジョンに遠征だ。タカヒロたちはまた修練場か?」
ここのギルドには大きな屋内修練場が併設されている。毎週二回、引退した冒険者たちから指導して貰えるという有り難い制度があるのだが、思いの他利用者が少ない。冒険者になる者の大半が無駄に己の力を過信し、教えを乞うのを良しとしない者が多いからだ。
腕っぷしに覚えのあるルーキーは、とにかく人の言う事を聞かないし訓練もしない。中には全く準備もせず討伐に出て、そのまま帰ってこない者もいるほどだ。自分の命が懸かっているというのに全く信じられない行為だが、そういう者たちが大勢を占めているのが冒険者という職業なのだ。
ルーキーの死亡率を少しでも減らそうと開設された修練場での講習会だが、利用者が極端に少ないのはそういった理由がある。逆に修練場を利用する者の多くが思慮のある若者か、既に実力を身に着けている冒険者が肩慣らしにやってくるくらいで、当初の目的からは少し逸脱しているそうだが、やる気がある者にとっては絶好の場となっているらしい。
俺は開拓村で世話になったケイヤやマックスから手解きを受けていたので必要がなかったし、佐瀬たちは俺がサポートしていたから、後は自主練と実戦経験で磨いていけた。
ただ何の後ろ盾もないタカヒロたちにとって、あそこは有用だと思ったから勧めてみた。
すると意外な事に三人とも真面目に取り組み始め、今日でまだ二回目だが元冒険者の講師からも覚えがいいと褒められていた。人というのは分からないものだ。
「そうっす! イッシンさんたちはオルクルダンジョンですよね!?」
「すげえな! あそこの最短到達記録保持者なんでしょ?」
「マジ尊敬っす! 姉さんたちも頑張ってください!!」
なんかいつの間にか舎弟ポジションに納まっていたが、君たち本当にそれでいいの?
まぁ、本人たちの表情も以前と比べて明るいので、問題ないかと俺は適当に会話してから別れた。
相変わらずオルクルダンジョンは離れた場所にあるが、開拓村に到着すると出張所にいた副ギルド長レッカラ女史に挨拶してからダンジョンへと踏み込んだ。
ちなみに嫌味な村長とは顔を合せなかったが、件の諍いを起こした冒険者たちとは入り口で偶然遭遇した。向こうは視線を逸らして舌打ちすると、そのまますれ違っていった。
やれやれ、品の無い奴らだ。
1階にある転移陣を利用し、一気に40階層まで転移する。
前回はここのボス部屋でC級パーティ≪千古の頂≫と共闘して、ビッグジョーとウィンドシャークを撃退したのだ。
ちらりと部屋を覗くと……いるな。
ここのボス部屋は中央が水場となっている為、水棲の魔物が出る事もあるようだが、今回は空を飛ぶ馬が数頭いるだけのようだ。
「ねえ、あれってペガサスじゃない?」
佐瀬の指摘通り、白馬に白い翼の魔物で、どこからどう見てもペガサスであった。
「マジか!? 確かにそう見えるけど、シグネ?」
「うん。鑑定もペガサスだって! 馬タイプの魔物だよ!」
「うわぁ! ファンタジーの定番と言えば定番だけど……どうやって戦うんだろう?」
名波の問いに俺は顔を顰めた。
「……分からん。正直俺も初めて見た」
かなりレアなのだろうが、ここに出るという事は恐らく討伐難易度はCランクだろう。なら恐れる相手ではない。
俺たちは準備を終えると一斉に部屋の中へと踏み込んだ。
「——【サンダー】!!」
様子見で一発、佐瀬が雷魔法をお見舞いすると、あっさり一頭撃沈した。
(いや、まだ少し息があるか? だが、あれでは……)
再起不能だろうと思われた瞬間、突如周りのペガサスたちが一斉に輝きだした。すると地面に横たわっていたペガサスも薄く発光してから息を吹き返す。どうやら仲間のペガサスたちが【ヒール】のような回復魔法を使ったと思われる。
「こいつら! 光の加護持ちか!?」
加護持ちはその同じ属性魔法を使用する事が大半なので、恐らく光の加護持ちだろう。
俺も光属性の魔法を持ってはいるが、戦闘ではあまり使わないので有利不利は特にない。
「なら、一気に倒すだけ! 【サンダーボルト】!!」
佐瀬は更に火力の高い魔法を放った。流石にそれは耐えきれなかったのか、ペガサスは今度こそ黒焦げになると、やがて姿が消えていった。
他のペガサスたちも名波やシグネたちが順当に狩っていく。
俺はと言うと——
「——【レイ】!」
光属性の最下級攻撃魔法【レイ】を久しぶりに発動させてみた。
ペガサスに命中するも、少し仰け反らせただけで全く効いていないようだ。
「こら! 光属性は効かないんでしょう!? 何やってんのよ!」
「いや、どのくらい耐性があるのか実験してみたんだが、思っていた以上にダメージ通らないなぁ」
今回のボス戦は余裕だなと判断した俺は、属性による耐性テストを実践していた。
戦闘中に実験する俺も大概だが、佐瀬も何時の間にマジックバッグからカメラを取り出して、ペガサスたちを撮影していた。確かに写真映えしそうな幻想的な魔物だが、背景が地下洞窟湖というのは些か微妙だ。
名波とシグネは怯むことなく次々とペガサスを屠っていく。たった数分で十頭近くいたペガサス全てを倒し切ってしまった。
空を飛んだり回復したりと厄介そうではあったが、一撃で屠れる攻撃手段さえあればそこまで苦戦する相手でもなかった。
今回宝箱は出なかったが、代わりにドロップ品がいくつかあった。
「ペガサスの羽が大量に、これは……血かな?」
「えーと、≪天馬の羽≫と≪天馬の聖血≫だね」
シグネに鑑定して貰った。
どちらも錬金用の素材で、≪天馬の羽≫は物体の重さを軽減する素材、≪天馬の聖血≫はキュアポーションなどの状態異常回復効果を高める素材だそうだ。
(む、≪天馬の聖血≫って確か……)
俺は以前、商人カークから貰った買取リストを取り出して目を通した。
「あ、リストにある品なんだね」
「ああ、1瓶銀貨60枚、小瓶でも銀貨40枚か。Cランクの素材にしては高額だな」
どうやらかなり貴重な素材らしいので、カークさんには悪いが一旦キープだ。
一通りドロップの確認を終えると、俺たちは再び入ってきた扉から外へ出た。
「よし、それじゃあ先に進むぞ!」
「「「おー!」」」
いよいよダンジョン41階層、そこは今までとはスケールが違った。
――女神アリスと地球の代表者たちによるQ&A情報――
Q:あちらの世界の学力はどの程度でしょう?
A:国や地域によりますが、平均で見れば地球よりかは遥かに劣ります




