ザクセン人のレチタティーヴォ
夕食時、気まずい雰囲気が続くなかヨハンは重い口を開いた。
「ゲオルグ、お前は、音楽家になりたいと言っていたが、条件付きで許そうと思う」
ゲオルグは警戒しつつヨハンを睨みつつ「怖いとしか言えない」「何を企んでいるのですか?」と答えた。そこで、ヨハンは侯爵の言ったことをゲオルグに伝える。
ゲオルグはパァと笑顔になり「お父さん!ありがとうございます。あと。侯爵様に感謝しています。絶対に侯爵様の目に止まる演奏をしてみます。絶対に落第点など貰うことはない」と言い切り、「僕は明日、すぐにツァハウ先生に会って来ます」と、キラキラとした目と生気に溢れた、顔と雰囲気に満ち溢れていた。
ヨハンは複雑な心情を抑えつつ何も言わなかった。次の日、宮廷服とカツラを着て、ツァハウの家に行きツァハウに会うことができた。
「ツァハウ先生、侯爵様からの紹介でお伺いさせて頂きました。ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルでございます」とゲオルグは挨拶した。
ツァハウは実に明るい人物であった。「君がヘンデル君だね。なかなかの美男子ではないか」「宜しく」と握手を促されお互いび握手をした。
「さっそく、何か弾いてみて。」とツァハウが言った。
ヘンデルはチェンバロで組曲形式の作品を弾き始めた。
「ほう、シャンボニエールとルイ・クープラン、フローベルガーですか、、殆ど完璧ですね」オルガンは、スウェーリンクとフレスコバルディをゲオルグは弾いた。ツァハウは演奏技術も十五歳ではもう完璧で言うことが無い。
ツァハウは内心嬉しい気持ちである。田舎町のハレに欧州を音楽で、圧感できる才能に出会えたかもしれない。しかも、私がそのダイヤの原石に対して教授できるという感動を感じることができ神に感謝していた。
「ヘンデル君、君は合格だ。出来レースだけど、侯爵に口利きをしておくから、リラックスして弾いて欲しい。」「最初は、私の助手になるだろうが、君にそのポストを奪われるくらいの音楽家になるだろう。ぜひ、そう、なって欲しい。私があなたに教授できるのも五年くらいで無くなると思う」ツァハウはそう激励しゲオルグに質問した。
「ヘンデル君は音楽家として大成するのならば、最後はどうなりたいのか教えて欲しい」
「ただ、漠然としか考えられません。自分はまだまだです。しかし、ジャン・バティスト・リュリのようになりたい。ヴェルサイユ宮廷の様な大きな宮廷での作曲家としてのポスト。それか、帝国自由都市として名高いハンブルクで活躍できるポストを獲ることが大望です」
ヘンデルはそう答えた。また、ツァハウは質問を続ける。
「ゲオルグはどの様な作品を主に作曲したい?。鍵盤楽器か器楽曲、声楽曲、どれか?」
「私は全てのジャンルの作品を作曲します欲張りなので」と、答えた。
ツァハウはさすがという顔をしながら、「その意気なら安心した。私の集めた楽譜は好きに筆写譜をして良い。まずは、色々の作曲家の作品に触れて、この宮廷で音楽を聴きまた研鑽して欲しい。よろしくお願いする」と、言い、ツァハウへの訪問は終わった。
「忙しくなるな、、雑用と楽器の練習や他作曲家の作風の研究、通奏低音の練習、、絶対に私はリュリのようになる栄達する。」「死ぬ気で頑張り音楽を愛す。頑張るしかない!」
侯爵からの試験は、見事パスし宮廷オルガン奏者見習いとして、アンハルト=ザクセン侯爵家に仕えるようになった。