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幕間 ある兵士の遺書
拝啓、愛する私の家族。
こんなところで死んでしまった私を、どうか許してほしい。
私がどう死んでしまったのかは今の私では分からないが、私はきっと、この国を守るために戦い、自らの役目を全うし、その命を燃やし尽くしたのだろう。
なぜならそれが、兵士の役目だからだ。
悔いがないと言うことはできない。むしろ悔いは多いほうだろう。
サーナ。君と歳を取るまでずっと一緒に生きたかった。ヴァルサ。お前の成長を、もっと近くで見ていてやりたかった。
だが、それはもう叶わない夢だ。
どうか、二人で幸せに生きてくれ。それが私の、最後の願いだ。
――スミーナ国軍第十四部隊副隊長
ヴァリン・フォーラルの遺書より一部抜粋――
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