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ガイエさんの提案?!


ーガイエ視点ー


いつもの様に、酔い潰れたワシの世話を焼くシンさんは後始末に追われておる。

だが、真実はワシに酒は効かぬ。

好ましい味じゃから、飲んでるだけでな。


「シンさん」


おぉ、予想通り数センチは跳ね上がったぞ。

ま、そんなシンさんに全く頓着せず話を進める。


「旅に出よう。

ワシの国『鳳凰族の国』へな。

ついでに言うとコレは決定じゃからな!」


ワタワタと慌てるシンさんは、しどろもどろで断る返事を返した。

いつものシンさんからすれば珍しい。

だが、コレは譲れぬ。


「何の理由があろうと、とにかく決定した事だ」

もう一度言い聞かせる様に言えば、被せる様に抗議の声をシンさんがあげる。何とも珍しい。

「無理です。どんなに言われても無理なんです…この家から離れられないから…」


とにかく交渉は強引さが決め手だ。


「いや。

決まったのだ。

シンさんがあの本を持っていた・読める・売った本人である限り見逃せないのだ。

シンさん。

ワシも何も無理矢理ココから引き剥がすつもりはない。

アイテムボックスという便利な道具は知っておるな?

アレの極秘バージョンがある。

この家丸ごと入る奴がな。

そうだな…サテ。

お主先程から、ずっと聞き耳を立てておるのはお見通しだ」


ギクリと分かりやすく起き上がるサテの本性は中々の策士。

噂の太々しさを全く気取らせぬ。


「いやぁ、喉が渇いたと目を覚ませば中々ハードな話し合いで。

目が覚めたとは言いにくくて。

シンさん…アイテムボックスの話は本当です。但し…世界に数個の超貴重品ですがね…」


シンの顔色は、赤・青・白を行ったり来たりしている。

一喜一憂が手に取るようだ。


怪しげない扮装をしておるが、幼子かと勘違いするかの様なシンさんの素直さ。

正直…ドン引くほどに世慣れてない。



「そんな貴重品…俺が買えるはずもありません。ガイエさんのせっかくのお申し出ですが、ご辞退させて下さい!!」


シンさんの言葉は時折、丁寧過ぎて意味不明になるが好感は持てる。

だが、逃さぬ…今回ばかりは。

シンさんの生命の危機になるのだから、連れて行くしかないのだ。


「ワシが金は出そう。

サテ、お主に一任する。

ボディーガードは、虎族の戦士を使えば良いし、雑用は鰐族と犬族の子供でやらせれば良い。ブヤン、お主も何か言え!!」


寝たフリだらけで話が進まん。


フッ、驚いておるのはやっぱりシンさんのみだな。あとの二人は真実…寝入っておるし。


「ガイエ様…同行すれば鳳凰族の国へ我々も入国出来ますか?」


「あぁ、そのつもりだ。

内容が内容なだけに、極秘入国で陛下の元へ案内しよう。

あ、シンさん。

何も取って食いはしない。

陛下の元には、同じ言語の本があるぞ?

見たくはないか?」


そこからは、話が早かった。

ま、全ての面倒事はサテに任せれば良い。

ワシはのんびりと、出発まで食い道楽だ。

何故かせっせと作り置きの料理をしまくるシンさんから味見役を掴むだのでな。



しかし…鰐族には逃亡防止の足輪を嵌めた。

信用は出来ぬからな。。。



ー信太郎視点ー


信じられない!!

この世界に来て、旅する身となろうとは…。

ラノベファンなら、異世界の街を練り歩き食べ歩きする。

そんな夢を必ずや見るだろう。


それが叶うとは…。


しかも、仲間もいる。

夢みたいだ。


ブヤンさんに頼んで森から食料調達して貰い備蓄を製作。

食べ物に限らず、出来る限り備える…この辺りにチキンが出てるって言われるんだけどな。


3日後。

サテさんが、汗まみれになりフラフラして帰ってきた。


手には小さなズタ袋を持って。

「お?お主買えた様だな。

ワシの言う通り奴に言えば売ってくれただろ?」


おぉ、ガイエさんかっこいい。


肩で息サテさんが珍しくガイエさんを睨んだ。


「ええ…教えられた台詞がしく

私も奥の手を大量投入して逃れ…ゴホン、帰り着きました。

シンさん、旅支度は万端ですか?」




頷く俺…。


予想外の旅が始まったのは、それから数分後の事。



ガイエさんとサテさんの早技に驚いている間に…出発してた…。





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