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今度のお客さんは、血だらけで訳あり?!


ー信太郎視点ー


部屋に行くために扉を開いて飛び込む。

こんな時のために、用意してある薬箱を掴むとブヤンさんの元へ。


血だらけの鰐族の人は意識がない。

スキャナーで査定すれば、かなりヤバイ。

体力が既に『3』だ。

満タンが『30000』だから手が震える。


間に合わないかもしれない…と。


サテさんのテキパキした手助けで、薬を幾つか飲ませる。

体力を一瞬で満タンにする超ハイテンションレーレ

魔力を満タンにする《ダツ》

傷を完治させる《ザヤキ》


次々と与えると、目蓋がピクピクし始めやがて目が開いた。


「あ、目が覚めた?

ここは、査定屋『スーパー中路』で俺は店長のシン。

もう、傷は完治…ヒッ!!!」


説明の途中で、首元に小型ナイフが当る。

ヒヤリとした感触に心臓がバクバクする。


「お前…俺を何故助けた?

こんな所へ連れて来たのは、あ!!」



フラフラしながら凄む鰐族の人をブヤンさんが押さえつけ馬乗りになる。


「ブヤンさん、手荒な事をしないでください。まだ、完治しても身体に馴染むまだ掛かるんですから。

貴方も、大人しくした方がいい」


不機嫌全開のブヤンが放り投げる様に突き放した鰐族の人がこちらを睨みながら呟く。


「フン。

親切なフリをしても、絶対に渡さないからな。俺を殺しても助けても、絶対に渡さない!!」


あれ?

言葉通じない?!


変なことを言い始めたよ?


「あのー。お名前は?

何もしないから教えてください」


あ、ダメだ。

横を向いてふて腐れてる。


ま、不味いぞ。

サテさんが居るのに。


あの人は、礼儀作法に煩いから怒られ…あ。


「ほう。

良い態度ですね。

名乗りもしない。

礼も言わない。


その上、口を開けばまるでこちらが盗人の如き言いよう。

私はこの様なモノ、捨ててくるのが一番かと。

シンさん、ちょっとそこまで行ってきます」


あ、本気だ。


「だ、ダメ。

もう、サテさんは、普段は優しいのに礼儀作法には厳しいからな。

あのね、意識を喪失した後なんだよ?

混乱するよね?


大丈夫だから、落ち着いてまずは名前を…あ!!」


バタン!!!!!!!!!!


ドア破壊…。

なんでいつもその入り方なんだ?


弁償してくれるからいいけど。。。


「おー。すまんすまん。

シンさんや。此奴はワシの獲物じゃ。

貰って行って良いかの?」


す、素早い。

もう、鰐族の人の首根っこ捕まえて破壊したドアへ向かってるし。


「ダメです!!

いつも、言ってるじゃないですか?

ドアは破壊しないで開けて下さい。

それに、その人は俺のお客さんです。

例え、お世話になってるガイエさんでもダメですから!!」


鳳凰族の隠居のガイエさんは、とにかくマイペースだ。今も…まぁ…。

俺のツマミのファンのガイエさんは、嫌そうな顔で振り返った。


「ダメだって言われても引き下がれないからな!コイツは、ワシの獲物を横取りしたんだ。そうだな?お前…何とか言え!!」


む、無理だから。

完全に落ちてます…彼。


ソファに彼を寝かせて、訳を尋ねる。

テーブルには、鯵っぽい魚の干物を焼いたモノを薬味と秘伝の味噌と混ぜる。

なめろうに近いかな?


これに目のないガイエさんは、もう懐から酒を出して飲んでいる。


「ガイエさん。

こんな乱暴なやり方、珍しいよね?

この人…何したの?」


一見、乱暴な雰囲気のガイエさんは意外に筋を通す。律儀なお爺ちゃんだ。

筋骨隆々で、お爺ちゃん感ないけど。


「なに、数十年探してたモノを横取りしやがったんだ。

あの場所に入るなんて誰も予想つかねぇからよ。安全性だと思ったんだけどな」


??


「あのー。

部外者が口出しして申し訳ない。

私の名はサテと申します。

失礼ですが、鳳凰族のガイエ様では?」


あ、サテさん知り合いかな?

さすが顔が広いなぁ。


「そうだよ。サテさんもガイエさん知ってるの?あ、ガイエさんってばいつの間に…」


奥の戸棚から秘蔵の乾きものを勝手に出してるし。


「フン。

ワシの事を知っとるのか?

まぁ、良い。シンさんの家で出会ったのも何かの縁だ。

ワシは不可侵の領域にあるモノを隠していたのだ。

それを此奴が取りよった。

ま、そう言う訳よ」


「まさか、不可侵の領域へ…あり得ない。

鰐族は、いったい何を考えているのか。このままでは…」


サテさんが真っ青になってる。


「どうしても、それでも行かねばならない事もあるのだ。それが例え命や国と引き換えでも…な。

だから、絶対渡せないし命を例え取られても文句はない」


いつの間にか、鰐族の人がガイエさんの前に立ちはだかっていた。

身体が震えていたから、まだ良くなってないのだろうな。


寒気か?

うーん…三位一体のあの処方はやっぱり乱暴だったか。


「では、お前を消すしかないな。

この家では、ダメだ。外へ出ろ」


考え事の隙に、ガイエさんの怒りがマックスになってるよ?

あの静かな言い方は、やばいよ。


アレを止める術とか…。


「ねぇ、鰐族の人。

とにかく、その盗んだモノの使い道を教えて下さい。理由を聞けば分かり合えるかも」


言いながらも、無理そうな雰囲気をビンビンに感じるなぁ。


「鰐族よ。

話しても話さなくても、恐らくガイエ様は盗んだモノを回収されるだろう。

僅かなチャンスは、生かすモノだ」


サテさん!!

ナイス。


鰐族の人が座り込むと、一冊の本を出した。



「これだ」


あれ?

これってば…。


ん?

どうして、みんな固まってるのかな?


「コレどこで手に入れた!!!

こんなモノを…」


ええーーーーー!!!


これってば、異世界では危険物??

単なる『本』だけど。


但し…日本語なんだけどね。

それも、見覚えがある…。


秘蔵書のラノベに似てるような…。



「この予言書が、全ての原因なのだ…」


!!!


よ、予言書???



鰐族のこの一言は、全員を唸らせた。



でも、その中で俺だけ…


全く違う意味で唸ってるんだけど…な。

また来たのか?


ピンチ??


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