仮の町、建設計画?!
ー信太郎視点ー
雨乞い。
そりゃ、龍神様が天高くうねりながら雨を降らせるなんてカッコいい漫画は沢山読んだよ。でも、何のチートも持たない俺に出来る事は査定だけ…。
「シンさん。単なる願い事にしてはかなりの重圧なのは承知の上で頭を下げる。
失敗しても良い。僅かでも希望があれば繋げたい。」
後退りたい俺に迫るガイエさん。
でも成功とか失敗以前で、何も思いつかないんだ。
「おい。とにかくもう少し詳しい話を聞いた方がいいのではないのか?お前は賢者とか言われる癖に性急だな」
安定の喧嘩腰のダインさん。
「失礼しました。では28号から報告致します!!」
お?偵察部隊の肩書きは?!
名前がまさかの28号なの??
混乱から変なツッコミが口から出てたみたいだ。
「そうです。我々は配属部隊と番号で統制させてます。あ、フォーゼ様にですよ?
あ、とにかくご報告を。
この辺りで雨が降らなくなったのは三年前からのようです。それ以前も段々と飴が減っていたのですが、何とか作物も細々収穫し生活が成り立ってました」
へー。急に三年前に雨が降らないとかちょっと変だな。
異常気象はそんな唐突に起こらないって聞いた事がある。
地形の変化とか。
温暖化とかは、この世界には存在しないなら自然の中に変化があったのか?
!!!
思いついた事を確かめようと、俺は外へと出た。周りがびっくり顔になってたなんて気がつかないままで。
手のひらを地面につける。
最近では、これでも鑑定可能になった。
鑑定能力のレベルが上がったらしい。
[セランド北地区]
地表 激しい乾燥状態
地中 水脈に乱れあり、所々乾燥状態
土の種類 赤褐色
水捌けの良いもの
栄養状態 痩せている
(特筆)
三年前に火山活動あり
遠方の火山の活動により地形は隆起あり
これだ!!
間違いないけど、どうすりゃいいんだ?!
「査定済んだぁ?
ご主人様の査定はさ、中々なんだから自信持って教えてよぉ。ほら、皆んなこっち見てるよぉ」
フォーゼ。
お前の登場のタイミングはいつも最悪だよ。
「火山が理由のようですよ?地形の変化が上昇気流の変化を齎したと思います。
山の存在は雲を呼びますからね」
ん?
サテさんの目から目玉が溢れるぞ??
どうしてそんなに驚いてるの?
火山とか気がつかなったのかな。ま、温泉知らないみたいだしな。
「シンさん。ご教授賜りたい事が多いのですが、ことが事だけに直球でお伺いします。
雨は降らせそうですか?」
通じてない?
地形の変化なんて、人間の手に余るよって?
うーん。
詳しく説明とか言われてもザッとしか雨の仕組みとか分からないんだけだなぁ。
「集まれ〜。
よーし。火の鳥部隊集合!!
溶岩の通り道の変更が出来そうか確認な。それと測量部隊〜!!元の地形と現状の地形の変化を提出の事〜!!
そして、工事部隊は隊員が足りないから増量してね。。」
フォ、フォーゼ?!
無茶振り過ぎるよ…ヒヨコ万能じゃないんだから無理過ぎ。
「ご主人様。大丈夫です。僕らはこれから調査に向かいますから逃げた人間の方のフォローをお願いします。あ、たぶん料理部隊が役に立つと思います!!」
28号と区別は全くつかないけど、たぶん火の鳥部隊か工事部隊だよな?
ツッコミドコロだらけで、サテさん達はドン引きだし。
ま、俺も一緒にツッコミたいくらいだよ。
でも。
「ガイエさん。
逃げた人達が苦労してますよね?炊き出しの準備と避難所の設置をしましょう。
そうだ!!建築部隊ーーー!
家を数件建ててくれ。家の大きさは体育館くらいでね。
裁縫部隊は、布団準備
井戸掘り部隊は、早急に二本掘ってね。
あ、サテさん。何かアイデアありますか?」
口が半開きのサテさんがこっちを凝視してるから声をかけたけど無反応だな。
「よーし。
とにかくお前たち、頼んだぞーー!!」
ニニさんが半泣きしてる?!
「ずっと見てきました。町や村を捨てた者たちの末路を。
シンさん、俺でも役に立ちたいです。何でも言ってください!!」
お茶飲み友達候補のニニさんの提案はちょっと嬉しかった。
二人で紙の上に新しい町の設計図を書いていたらいつの間にか皆んな参加してくれた。
いい町作りたいなぁ。
ま、仮の町だけど。
疲れた人達がホッと出来る場所。
俺もお茶を入れようと台所へ向かった。
(何故かお茶入れだけは、料理長より上手いらしいから…)
次話では、今の出来事を他視点で展開して参ります。




