俺…ちょっと頑張っだ…よな?!
ー信太郎視点ー
ドライアイスが原因だとすると…。
嫌な予感がする。あの本と言いドライアイスと言いこの世界に来て無くした俺の持ち物の様な気がするからだ。
でも、ドライアイスとかすぐ気化するからと安心してた。こんな事になるなんて予測不能だよ。
でも…石像になった人々は俺のせいで迷惑を被ったんだから、せ、責任があ、ある。
ドキドキと鼓動が早まり冷や汗をかいた俺に救いの女神が降臨した。
サテさん!!!
そうか…道具自体には善悪はないよな?
だとすれば使った人の責任となるだし。
そう言えば使ったのってだれ?
「シンさんや。物思いから浮上したか?この有り様をした犯人は今外におるわ。しかも未知なる道具を使った末路から石像となってな」ガイエさんの声に顔を外に向ければ、ガヤガヤしていた外は静まり返っていた。
「出ても大丈夫かな?」
全員がめっちゃ首を横に振る。
もの凄い大反対だと理解した。
ま、査定以外にはツマミ作りしか特技も無いしな。お任せで良いかな?
用心しながらドアへ向かう皆んなを横目に不安が拭えない。
本当に何も出来ないのかな?
いつもお世話になってるのに。特にサテさんには飢餓の危機を何度も救って貰ってるし。
俺は色々考えた。
ドライアイスは素手で触れば火傷する。
封じ込めれば爆発もする。ま、袋が破ける程度だけど。。。あ!!
ガイエさん達が外へ出たのに、慌てて追いかける。
不味いぞ、このままじゃ大変なことになるかも。
村長と村人が大量に石像となり、ドライアイスらしきモノは何故かものすごーーく大きくなっていた。
「俺に任せろ!今こそ封じの技を見せる時だぁ!!」
叫ぶと一人、先頭に飛び出したのはダインさんだ。封じの技とか言ってたよな…不味いぞ。
剣呑な目つきが近づきにくい上に、サテさんに「シンさん!!早く家へ入って下さい。ここは僕らに任せて!!」と腕を掴まれると家へと引きづられる。
『眞力解放。我命ずる、地に天に全てを含めて封じを行う。ソン!!』
何を言ったのか分からない言語で叫ぶダインさんの術は確実に封じの技だよ。
サテさんの怪力に遠ざかるばかりで胸がザワザワする。
どうしよう、どうすれば…。
「これにて終了だな。ガイエとやら、出番は無かったな。」
一人高笑いするダインさんの横でドライアイスの塊が膨れるのが見える。
このままじゃ、全員が吹き飛ぶかも。
あー。
最後の手段だ!!
「サテさん!!!どけーーーーー!!!!」
俺の大声に驚いたサテさんを突き飛ばした俺は近くに落ちていた枝を拾って「ぬワァーーーーー!!!」と全力で投げた。
穴。
穴さえ開けば…。
でも、この考えが皆んなを助けるけどちょっと悲惨な事なる。
パン!!!!!
破裂した封じの技は暴風を出したからだ。
でも、サテさんをはじめ皆んなに影響は殆どない。ま、俺が尻餅をついたくらいかな?
でも…ダインさんは…。
暴風を一人浴びた為、斑ら石像化という珍しい事態になり呻いていた。
慌てた俺がレモン汁をかけたらめっちゃ染みたようで半泣きの目で睨んでた。
申し訳ない…美味しいツマミで手を打って下さい。
けれど、その後はツマミどころじゃない。サテさん達による大捜索が始まったから…。
楽しい異世界旅行がしたいよぉ。