演奏家の相談
「今度商店街のイベントがあるんだ」
カウンターに座った女性が話した。
「ステージイベント急に一人空きが出て、私にやらないかって」
リリが、サイダーを、少女の前に置いた。
「良いと思うよ。私はミユさんの歌とキーボード好きだよ」
「うう、でも緊張しちゃって。
ほかの出演者の顔ぶれとか聞いて」
リリが笑う。
「大丈夫。私はミユさんの音楽すごいって思うよ。
だから、ミユさんにも、ミユさんの音楽、自信もって『すごいんだぜ!』って言って欲しいな。
イベントでお祭りなんだから、楽しめばいいよ。観客と一種に作るから、アクシデントとか失敗も、楽しめばいい」
「その場の雰囲気が盛り上がればいいけど」
「どんなステージになっても、ミユさんの素敵さは変わらないよ。私はミユさんのファンだから。
ファンは結構いるよ。
だから、ミユさんが、一番ミユさんのファンになってあげて。いちファンからのお願い」
「うん、……そうだね。
ありがとう。受けてみるよ」
シロが、料理を置いて話しかける。
「応援してます!
私達も出店するんですよ」
リリが“にっこり”笑って言う。
「ウミネコビールの応援もよろしくね!」
「よろしくねー」
アイも手を振って言う。
大笑いして、ミユは言った。
「乾杯! ウミネコ麦酒房に!」