33/38
夜色ふればー
複雑な気持ちがある。
夜が好き。
雨が好き。
風が好き。
純粋な気持ちなんてない。
淡々と過ごす日々。
嫌なこと、うれしいこと、厄介なこと、楽しいこと。
いつもの日々。
私はきっと、純粋なんかじゃなくて、
複雑で。
劇的な美しさなんて、私は持っていない。
ミユにも、
シロにも、
アイにも、
話せないことがある。
話さないことがある。
話す意味なんてない。
悲観でもなく、侮りでもなく、自己犠牲でもなく、虚勢でもなく。
悩みの相談なんてものは、そもそも、本来的に、お互いの苦痛になるものだと、私は思う。
変な「劇的な なにか」を呼び込むようなものだ。
劇的なんて無くていいよ。
今日も、いつもの日々を歩く。
おいしい飲み物と食事。
暖かでおしゃれな場所と、穏やかな話声。
静かな音楽。温かい食事。
グラスをつかむ手に伝わるビールの温度。
だいすきなひとと。
夜が好き。
雨が好き。
風が好き。
私に純粋な気持ちなんてない。
複雑な気持ちだって、美しく思える。
何もない日々と何もない心。美しく幸せな日々。
そんな日々を共に歩く子たちが居る。




