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テーマ曲のプレゼント
ところどころに、ランタン。
オレンジ色の暖かいあかり。
演奏前の心地よい会場のざわめき。
みんなの話す声。
窓からは秋風。
心地よい強さで、熱気をなでる。
助走するような、
念入りにウォーミングアップするような、
丁寧な前奏。
跳躍を期待させる、秘められた情熱。
そこに、歌を乗せて。
最初は、暖かい曲。
そして、熱い曲。
一曲一曲、曲ごとに違う雰囲気と歓声。
「今日お越しいただいて、ありがとうございます!
そして、こんな素敵な機会をくれた、ウミネコ麦酒房の皆さんにも!
ありがとう!」
ひとりひとり呼ばれて、
ピアノの効果音と短いテーマ曲付きで、紹介を受けた。
ちょっと照れくさくて、
ちょっと、高揚して。
みんなの優しいテーマ曲が、うれしくて。
そして、アンコール。ほんとうに最後の曲。
暖かくて、なつかしくて。
優しい曲なのに、胸がぎゅっと、せつない。
「ああもう、ずっと聴いてたいな」なんて。




