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ソーセージの野菜炒め
欲しいものがある。たくさん。
夢がある。たくさん。
「かなえられないかも」なんて、
思うものが増えたのはいつからだったか。
記憶の最初から、すべて信じていたわけではないのではないかなんて、
思う。
ソーセージと野菜炒めの湯気が舞う。
ニンジンの赤、キャベツの緑、もやしと玉ねぎのあめ色。
ジュッって音と一緒にたれを入れて、
良い香りが漂う。
空腹を感じる。
アイが料理を少し深い皿に乗せた。
シロが受け取って、テーブルへ運ぶ。
かっこいい感じの服装をした、キーボード奏者の常連さんが、
にっ、て、笑って受け取る。
幸せ。幸せな日常。
今からでも手が届くだろうか。
今からでも手が届くと感じる。
たどり着けるだろうか、
目指して進むことが、幸福な日常に、豊かな彩をくれる。
きっと、たどりつけなくとも。




