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昔、昔のことです。
閉店後、シロがリリに言った。
「私、……昔、上手く周りになじめなくて、
消えてなくなりたいなんて、思ってたことがあるんです。
私の言動が、誰かの気に食わなくて。
きっとどこかで、私も周りの人を傷つけてて。
おかしな話ですよね、生きてるから苦しくて、死んでしまいたいと思うなんて。
死ぬのも怖くて。死ぬ苦しみもこわくて、
『死んでしまうくらいならもう少し苦しんでもいい』って、自分に言い聞かせて、
生きていたころがあるんです。
ほんとうは、この話をするのも怖いんです。だから、
あのとき、ランちゃんに、何も言えなかった。
この告白自体が、私が嫌われる原因になるんじゃないかって」
リリが、シロの前にサイダーを置いた。
「うん、怖いよね。自分のことを話すのは。
自分が受け入れられるかどうかって、不安だよね。
……サイダー、のみなよ。
おいしくて幸せな気分になるから。
そして『幸せになりますように』って、私の願いも込めたから」
シロが笑う。
「ふふっ、何ですか、願いって」
リリも笑う。
「大事な隠し味だよ」
シロの頭に手が置かれ、そっと撫でられる感触があった。
振り返ると、アイが居た。
笑ったまんま、シロが言う。
「子ども扱いしないでくださいよ。なんでそんなかっこいいんですか」
アイも笑う。
「かっこいいとか関係なくない?」




