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蓮華原市のあやかし奇譚  作者: しまもよう
プロローグ
1/196

始まりの語り

この物語の入口となります。

本編は次話から。


「おや、珍しいのぅ。こんなところまで迷い込んでくるものがおったか」


 気付いたら()()は甘い香りのする木のそばにいた。掛けられた声に顔を上げてみれば、昔の時代にいそうなお爺さんが座っていた。にこにこと優しそうに笑っている。


「誰?」

「おお、(じじ)は誰なのか、とな。たまにこの場所に現れる謎の爺と認識してくれればよいぞ」


 この場所……と呟いて周りを見回す。けれど、お爺さんと木の他には何もない。何も見えない。ただ、深い霧の中にいるみたいだった。


「お主がここまで辿り着いたこれも何かの縁じゃろう。どうじゃ、ここで少し休憩していかんか? その間爺がちっと話をしよう。なに、警戒することはない。この爺は無害じゃよ。ただ話を聞いてくれるだけでええ。少なくとも退屈の凌ぎにはなるじゃろ」


 そう言われて、お爺さんの隣に座った。


「さて、どこから話そうかのぅ……まずは一人の女子(おなご)の話じゃ。あの子も自らの力に悩まされておった。

 結論から言うとのぅ……ん? おお、これは話してはならんのか。なになに……ねたばれ、とな。意味はよくわからんが、はじめから知りたいのじゃな? そうするとちっと長くなるが良いかの? まぁ、付き合えるところまで付き合ってくれればええ」



 ――これから話すは一人の少女を中心とした奇縁の物語じゃ



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主人公以外の視点他あります
 『蓮華原市の番外』
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